事は後ろで起こっている

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ちょっと夜遅いけどまだ8時だし許容範囲だよね、うん!

あたしはディアエラでものすごい大きさの花束を作ったあと、それを保存しゾル家へ飛んだ。


「おや、CATちゃんじゃないか。こんばんは」
「こんばんはーゼブロさん!キキョウさんにお花持ってきたのー!!」
「ほう、なんでまた」
「シルバさんの依頼ーっ」



第15話
思惑ぐるぐる





「こんばんはー、夜分遅く失礼しますCATですー」

いつも通り明るく元気に扉を叩く。少しするとそれが開き、ひょっこりカルトちゃんが顔を出した。


「…また来たの」
「うん!シルバさんいるー?っていうか見て見て着物かわいいでしょ似合うでしょ今日はじめてこれで仕事したのーっ」
「マネしないでよ。あとさっき写メ送ってきてたじゃん」
「でも、本物のほうが…?」
「はいはい。似合う似合うかわいいかわいい」
「えっへへへへー!」
「(単純・・・)」


誉められたのでにぱーっと笑うとカルトちゃんはため息をついて中に通してくれた。シルバさんのところにつれてってくれるらしい。

えへへ。カルトちゃんなんだかんだでなついたら受け入れてくれるから好き。…ってあれ、年下になついてるってこれどうなんだろ・・・まあいいや。



「はい、この部屋だから。じゃあねばいばい」
「えっもう行っちゃうのー!」
「お風呂」
「ざんねん…」


しゅん、とするあたしを見上げたカルトちゃんはもう一度ため息をついてから軽く手を振ってくれた。


うふふふふ!!!!!だからカルトちゃん!!!!!だいすき!!!!!!!!!!!!!!


カルトちゃんが見えなくなるまで手を振ったあと、とりあえずコンコンと扉をノックする。

「すみませーんCATでーす!」
「入れ」
「失礼しまーす!」


ゾルディック家の扉は取っ手の部分まで豪華だ。
冷たいそれをぎゅっと握って、頭を下げながら中に入った。
















「えっ、キキョウさん…!」
「あら、私のことご存知なの」
「親父いわくゾルディック家の相当なファンらしいぞ」
「そう言えばそんなことを言ってらしたわね、お義父様」


うわわわわ、わ…!
マッドマザー…げふん、キキョウさんがいらっしゃる…!!!!(細いっ)


「あ、えっとはじめまして!いつもお世話になってます、CATと申します。
ご挨拶が遅れて申し訳ございません」
「いえいえこちらこそ。うちのカルトとミルキがお世話になってるようね…今日も夫が無茶な依頼をしたんだとか?」
「え…あっ、知ってるんですか?」
「もちろん」


なんだーシルバさんからキキョウさんへのサプライズかなって思って期待したのに。ざんねんー


「で、CAT。頼んでいた品は?見たところ何も持っていないが」
「あ、はいあります!サプライズかなーと思って隠してました」


そしてわたしはリトル〈小〉という物体を小さくするカードでちっちゃくして小瓶に入れておいたディアエラの花束を取りだし、ビッグ〈大〉でサイズを戻した。普通に目の前で詠唱するの恥ずかしかった。


「まあ綺麗」
「ずいぶん大きい花束だな」
「あっ待ってください!仕上げに…

タイム〈時〉、解除!」

「「!」」


ポゥ…と優しい光がディアエラの花束を包み込む。タイム〈時〉のカードは物質の時間を止める力がある。
その間に消費されるはずだった生命のエネルギーはそのままあたしに移動しているので寿命は変わらないんだけど。


「…何をしてくださっているの?CATさん」
「物質の時間を止めていたので、復活させています」
「!

時間を…?」
「はい!止めててもいんですけど、それだとにおいとかがしなくなってしまうんですよ。せっかくなのでやっぱり生きている状態の花を愛でていただきたくて。
あ、でも摘んだ状態で時間を止めているので品質には自信があります!」


にっこり笑顔を向ける。
すると少し目を見張っていたシルバさんも、一呼吸おいて笑ってくれた。


・・・あれ?

でもなんか、笑顔がアヤシイ。

















───その後、今日の出来事や仕事、CAT自身について質問してきたシルバとキキョウにサナはすべて素直に答え、もう時間が時間だからと帰った。


シルバとキキョウはサナを見送り、その後ふたりで話し込む。




「ほしいな」
「そうおっしゃると思いましたわ」


どこか薄暗い部屋。
窓から覗く満月は、妖しい色で輝いている。



「確かに腕は認めます。
こんなに美しい状態のこの花も見たことがありません、今まで遣わせたどの名のある便利屋よりも有能ですわね」
「ああ」
「しかしゾルディック家に嫁げる器ではありませんわ。平和ボケしきっているではありませんか」
「まあまだ仕事を始めて2週間、この世界に入って1ヶ月だろう?のびしろは十分すぎるほどある」
「そうでしょうけど…」


納得しきれないといったふうに眉を寄せるキキョウに、シルバは妖しく笑ってみせた。
窓を背にした彼の髪は、月光に照らされている。



「真白なものほどよく染まる。あれはぜひ…ほしいな」


自分の夫がこう言い出すと聞かないことはわかりきっているキキョウは、なるべく小さくため息をついて思考を巡らせた。


(14歳。

いちばん近いのはキルね…)

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