ひたすらに前を向くのは

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This is song for you.....


「っ・・・!」




広がる声、伸びる歌、透き通るメロディ、優しいふるえ。



世界にこんな美しいものがあるのなら。


なにもかも捨てて捕まえるのに。




「(そう思ってしまった時点で)」





第二十七話
終わってしまった恋だった





「っ、はあ・・・

ありがとうございました!!!!」




響く歓声、割れる拍手。

ねえ届いた?
君に届いた??


眩しいライトに目を細めて、あたしはゆっくり頭を下げた。



「あなたには、届きましたか…!!」




勝手に口をついて出た言葉に一層声が大きくなった。

これをしあわせというのか。
あたしはどえらいところに来てしまったみたいだ。


もう忘れられない。


キルアのおかげだよ。





















「よかったよ〜RAIN!!!
ほんとによかった!すっごいよかった!!!!」
「わ、わわわわ」

舞台は終わり幕は閉じ。


ステージから引っ込むと、マネージャーのリッドさんが笑顔で迎えてくれた。
抱きしめられてぐりぐり頭を撫でられる。おおおはずかしい。


「ちょ、リッドさん、あたしいま汗臭いから、」
「オレも走り回ってたせいでくさいから大丈夫!」
「それってどう大丈夫で…あ、ほんとだリッドさん汗臭い」
「?!」
「ウソです」

からかうように笑うとリッドさんは困ったように少しだけ怒った。
実際のあたしよりも少し年上なはずなのに、ほんとかわいいなーこのひと。


「とってもとっても楽しかったです!
ほんとにいっぱい無理してくれて、ありがとうございました」
「・・・RAIN〜〜〜〜〜ッ、」
「わあリッドさん泣かないでくださいよー!」


ケラケラケラ、そうやって笑ってるうちにあたしもいつの間にか泣いていた。


君を、追いかけてるうちに。

宝物を見つけてしまったみたいだ。


















そのあと打ち上げに行って、帰って死んだように眠った。

一応シャルナークには電話を入れてみたけれど繋がらなかった。
あんな楽しいステージになったのは、まあ不本意でも彼のおかげだから改めてちゃんとお礼しておきたかったんだけど。

ということで一応その旨だけ留守電に残しておいた。ていうかそもそも打ち上げ自体も来るだろうと思ってたんだけどなー。まあいっか。



「そういえば…」



シャルナークはあの動画を見ただけであたしに気づいたんだよね。
うーん良くないなあ。一応最近はお化粧してるけど、まあそれでも年齢多少しか誤魔化せてないし…


今日は一日オフにしたからベッドの上でだらだらごろごろとパソコンをいじる。
依頼確認依頼確認…



「んー」



物品修理が5件。

人探しが1件。

暗殺依頼が2件(これは受けない)。

ボディーガードが4件。

そんでもって。



「この会場警備の依頼なんだよな〜」



昨日のライブ前に連絡がきたから軽くしか確認してなかったのだけれど、依頼人・内容がとてもおもしろい。

メインズファミリーのダンスパーティー。



…この、メインズって。




「確かノストラードファミリーの傘下だ…」


これは行くしかない。やるしかない。

メールを見る限りおそらく大きめのパーティーだ。絶対ノストラードも招待している。来るかはわかんないけど。
でもこれ、とりあえずうまいこといけば生ネオンちゃんを見れるってことだ。見たい。たぶんかわいい。絶対かわいい。間違いなくかわいい。


うーんでもダンスパーティーかー…会場警備って基本的に万引きGメンみたいに普通の参加者に混じっておいてなんか問題起きたら動くって場合が多いんだよなあ。
(警備員みたいに何回も事前打ち合わせすんのもあれだし、警備員より手練れだから警戒されちゃもったいないし)


そうなるとお面とかつけるわけにもいかないしなー…なにかあってもバレないように、裏の仕事するときも今後はつけていこうかなと思ってたんだけど早速壁にぶちあたる。



どうしたもんかなー………





あ。


いいこと考えた!














「おおおおお…」

思いつきそのままさっそく念を形に変えて、鏡の前で深く息を吐いた。


「なんか懐かしいな・・・」

そう。

自分を成長させてみたのだ。
(+10くらい)



なんかもうここまで来たら完全にフルムーンちゃんと一緒の気がしてきたから髪も染めて巻いてみた。
本来の自分より少し年上のあたしだけれど、まあ14歳の姿よりはしっくりくる。
ただなんかやっぱ腰回りに肉ついてるな!年だな!!いやだ!



まあこっちの方が化粧映えもするしいいでしょう。
体の成長を早める念はわりとエネルギー使うからあんまり長時間はやりたくないけど。

なんでこれもっと早く思いつかなかったんだろうねあたし!ばかだね!




でもこれでダンスパーティーに行く手筈は整った。




よっしゃ!

ネオンちゃんに会いに行くぞ!!!

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