「・・・本当にいいんですか?」
「おう。つーか必要経費だろ」
第四話
未来への確約
昨日(トリップ初日)はジンさんと洞穴を探しそこで寝た。
洞穴で寝るのなんて初めてだったので、ちゃんと寝れるか不安だったけどぜんぜん杞憂だった。あたし強い。
ちなみに水鏡で見ただけだけれど、やっぱりあたしの体は14歳くらいに戻っていた。やばい、これ何でもできるわ。今から欅坂のオーディションすら受けれるわ。まあ書類選考で落ちるんでしょうけどね!!!
ぐっすり寝たあと朝の日射しで目が覚めると、ジンさんはもう起きていた。
なぜか死ぬほどおなかがすいていたので(いつも朝はそんなに食べないんだけどなあ)、すごい勢いで朝食を取り街へ繰り出す。
「とりあえずそのカッコじゃ修行もなにもできねェだろ?」
そう言われて自分を見ると、たしかにパジャマにふわっふわのスリッパというどうしようもないかっこだった。
ほんとよくこれでクモの前に現れたなあたし…。
このカッコで街へ行くのは本当につらくてたまらなかったけれど背に腹は代えられない。でも消えたいって思ってたら勝手に絶状態になってたらしい。ジンさんに爆笑された。このひとわりと失礼だ。
「サナの住んでた世界ってどんなとこなんだ?」
手始めに靴を選んでいる最中、暇なんであろうジンさんが聞いてきた。
「どんな?えっと…こことあんまり変わんないです」
「ほォ」
「あ、でも通貨は違いますね。円です。」
「エン?」
「念みたいですよねーたぶんぜんぜん関係ないけど」
そんな感じで元の世界について説明していく。こっちの日本に近いと思いますよたぶんって言ったら、忍者って変なやつ多いよなって返された。あとお寿司おいしいって話。
ていうかほんと今更だけどやっぱりもしかしたらっていうかだいぶかなりの確率で、がんばればいつかゴンとキルアに会えるかもしれないんだよね!そのときは握手してもらおう!!!!!ていうかあたしあの旅団にも会ったんだよね!!握手してもらえばよかっ・・・いやなんか一部には抱きしめられたけど…………あ!!!!!
「ジンさん!!!」
「なんだ」
「握手してください!!!!!」
「・・・は?」
「わ、すごいですねここ」
「おー。なんかアマの路上ライブ地帯らしいな」
あらかたの買い物を済ませたあと、お腹がすいたため昼食を食べに移動する。
その途中でたくさんのバンドだとか弾き語りのひとが道のはしっこで演奏をしていた。
「うわーすてき」
「興味あんのか?」
「わりと!歌うの好きなんですよ。昔は人目が気になったけど、いまは誰も知り合いいないんだからやってみてもいいかもなんて」
緊張するけどせっかくだから人生挑戦すべきかもしれない。誰も知り合いがいないっていうのは寂しいけど心強いものだな。
「いいんじゃねェか?でももうちょっと大人になってからじゃないと補導されるぞ」
「え、まじですか。心はババアなんですけどいま14歳ですもんね」
「心はババアってお前実際いくつなんだよ」
「Need not to know...」
「知る必要のないこと、じゃねえよ。つうかお前いま14歳なのか、下手したら10歳くらいに見えるな」
「10歳はさすがにきついですジンさん」
冗談だろうと思ってると真剣にジンは驚いていた。え、まじかそんなに幼いのかこのあたし・・・。
「まァたとえそうだったとしても」
「だからそうだってば」
「お前身分証明できるもん何もねーじゃねェか。顔隠してねえと何するにしても補導されるぞ」
「補導とか懐かしい響きすぎてウケる」
「ウケてんじゃねえよ」
そう考えると若くなるのも考え物だな、と思った。
普通に中二くらいに戻って勉強頑張って高校受験からやり直していけば人生イージーじゃね、と思ったんだけどなあ。まさかこんな世界に飛ぶとはなあ。