むせび泣きロマンス



「めーくん!紗南ちゃん!ひさしぶりー!」

バタバタという足音と、甲高い声。私は思わず隣に立つ鳴の手を握りしめた。彼はそんな私の様子に「大丈夫だから」と苦笑を浮かべる。うん、と頷く前に。私たちの足元にはポスンという軽い衝撃。下を見れば、丸くて大きな目が、じーっとこちらを見上げて見つめていた。その目はどこか鳴に似てる。まあ、姪だからか当然か。なんて音だけ聞いたら駄洒落みたいだけど。

「シルク、久しぶり」

鳴の大きな掌が、小さな頭を撫でる。すると嬉しそうに細まる目、そして柔らかくて白いほっぺを鳴のズボンに擦り付けるように頬擦り。そんな可愛らしい女の子の旋毛を見下ろしていると、私が抱えていたさっきまでの緊張が解けた気がした。


八月になり、成宮の実家からお呼びがかかったのはつい先日のことだ。とはいえ悪い話などではなく、鳴いわくお盆前の鳴の休息日に毎年家族で食事をするのが恒例らしい。「無理そうなら断るけど」と彼は私に選択の権利を預けてくれたけど、特に断る理由もない。確かにこうなってしまってから初めて顔を合わせることに対して緊張はするけれど、それでもこれから付き合いが続く"家族"なのだ。勿論大丈夫、と頷いた私。
そんなわけで、八月の初旬。
稲実メンバーとの飲み会からそう日にちの経たない平日の昼前。鳴と寄り添って、彼の実家へと足を運んだのである。


成宮家は、大田区の中でも所謂高級住宅街と呼ばれる地域に近い場所にあった。白が基調の外壁に、季節の花々が咲き乱れる庭。外から見ただけでわかる。幸せに溢れた家。ここで鳴が育ったのだ。それだけで感慨深いものがあった。鳴の運転する車から降りて、ふたりで手を繋いで成宮家の玄関へと足を進める。一応インターフォンを鳴らせば、『開いてるから入って』と聞き覚えのある声が応答。鳴のお母さんだ。そして鳴が慣れた様子で玄関の扉を開けて中に入れば、…熱烈な歓迎を受けた。というわけで、冒頭に戻る。


鳴の姪であるシルクちゃんは渾名でもなんでもなく本名だ。樫宮絹(かしみやしるく)ちゃん。都内の小中高一貫の私立女子校に通う小学四年生だと聞いている。鳴の一番上のお姉さんである玲(あきら)さんの一人娘。
成宮家長女の玲さんは鳴の八歳年上で、スタイリストとしてバリバリ仕事をしていているらしい。そして旦那さんは仕事の関係で知り合った芸能関係者。なんとも華やかなふたりだ。
そんな風に事前にそれぞれの名前や年齢、職業などを予習してきたのだけれど、やっぱり一番驚いたのはシルクちゃんの名前だ。
なんというか、今時だなって思った。こういうのをキラキラネームっていうらしい。鳴が「最初は馬鹿じゃないのって思ったけど呼んでるうちに慣れた」って苦笑を浮かべていたのを思い出す。男の子で鳴って名前も十分珍しいって私は最初思ったよって言葉は口にしなかった。

「はいこれお土産」
「やった!ありがと、めーくん!だいすき!」

シルクちゃんは鳴にかなり懐いているらしい。買ってきたお菓子の紙袋を渡せば、更に顔を綻ばせる。「ふたりとも!はやく入って!」と急かされて、私たちは靴を脱いだ。絹ちゃんに先導されて廊下を進む。鳴は相変わらず私の手を握ったままだ。そのまま、案内されたリビング。大きな窓から差し込む夏の日差しが部屋を明るく照らしている。内装も外装に合わせているのか白っぽい印象。ひんやりとしたクーラーの冷風が半袖から伸びる私の腕をさわりと撫でた。

「ママ!おばあちゃま!めーくんと紗南ちゃん来たよ!」
「随分早かったわね」
「ふたりとも久しぶりー。あれ、紗南ちゃん髪切った?可愛い〜」

ソファーに座っていた玲さんが振り返って私の新しい髪型を褒めてくれる。リビングの向こうのキッチンで調理をしていたらしいお義母さんがエプロンをしたまま私たちに歩みを寄せたので、鳴はお義母さんに、持ってきた大人用のお土産を渡した。紙袋には、来る途中で立ち寄った百貨店で買ったお惣菜やワインがお行儀良く詰め込まれている。

「道空いてたから」
「まあ平日だもんねぇ。ねー、鳴、ラインで頼んだワイン買ってきてくれた?」
「買った…けど!何あれ?!すげぇ高かったんだけど?!あとでお金返してよね」
「稼いでんだから鳴の奢りでいいデショ」

玲さんと鳴はそんな風に軽口の応酬を繰り返している。さすが姉弟というか…似てるなぁと眺めていたら「ふたりともいまお茶入れるからゆっくりしてね」とお義母さんから声が掛かった。私はそれに頷いて、お言葉に甘えて皮張りのソファーに腰を下ろす。鳴も隣に座った。

「ちー姉は?」
「そのうち来ると思うけど。また塁と快が出掛けに我儘言ってるんじゃないの?」

ちー姉とは、次女の和(のどか)さんのことだ。小さいお姉さんだからちー姉らしい。子供の頃から鳴は和さんをそう呼んでるのだという。和さんもまたご結婚されていて、塁(るい)くんと快(かい)くんは彼女の息子さんふたりのこと。旦那さんが野球好きなんだそう。塁くんが小学校1年生で、快くんは年中さん。鳴いわくふたりともワンパク坊主たちらしい。
鳴と玲さんの会話を聞きながら、私は昨日自宅で必死に覚えた知識をフル回転で脳味噌の引き出しから引っ張り出しては確認するという作業をとにかく人知れず続けていた。

そんな私の半袖をちょいちょいと引っ張ったのは、絹ちゃんだ。「どうしたの?」と緊張しながらも平然を装って首を傾げれば、「あのね!」と満面の笑みが返ってくる。

「学校で音楽クラブに入ったの!」
「そうなんだ」
「紗南ちゃんとおんなじ!」
「うん、おんなじだね。どの楽器を吹いてるの?」
「フルート!」
「フルートかぁ」
「本当は紗南ちゃんと同じトランペットがいいなぁって思ったんだけど、希望者がおおかったから。シルクはゆずってあげたの」
「シルクちゃんは優しいね」
「そうでしょ〜」

話しているとなんだか小学生時代の鳴を彷彿させる絹ちゃんだけれど、多分あの当時の彼よりは譲り合い精神を身につけているんじゃないだろうか。鳴はリトルの時に絶対投手じゃないと嫌だ!と駄々をこねたらしいことを聞いていたから、思わず漏れる笑み。鳴がそれに気付いて「何?」とちょっと怪訝そうな顔を私に向けた。

「ううん、なんでもないよ」
「気になる」
「出会ったばかりの鳴…くんのこと思い出してただけだから」
「ふぅん?」

家族の前では名前にくん付けね、と言われて…成宮と呼んでいる自分がそんな風に呼べるかなぁと心配していたのは、もう半年も前のことだ。今ではつい呼び捨てにしてしまいそうになって、慌てる。でもそれならそれでいいのかなって思うのだ。
そんな風に玲さんたち母娘と会話を交わしていたら、お義母さんがトレーを持ってやってきた。

「はい、ふたりとも」
「ありがとうございます」
「ありがと」

目の前に置かれたソーサーにのった上品なティーカップには、琥珀色の紅茶。うーん、出されるものまでお上品だ。お義母さんはそのままキッチンの方へと戻っていく。とりあえずせっかく淹れてもらったので少しいただいてから、手伝いに行こう。そう考えて、カップに口をつける。

「そういえば今日の甲子園、稲実の試合じゃなかったっけ?」
「いや、明日」
「あ、そ。やっぱりなんだかんだチェックしてるんだ?」
「一応ね」

なんて玲さんと鳴の会話を聴きながら。鳴は私が今まで見たことのない表情をしていた。所謂弟の顔だ。私にとっては十歳も年上の大人の男の人だけど、この場所ではいくつになっても可愛い鳴ちゃんなんだろう。またひとつ鳴のことが知れたような気がして嬉しくなる。それにひとりっ子の私にとって、姉弟の雰囲気を味わえるのはいい体験だった。

私は紅茶を飲み終わり、ソーサーとカップを手に立ち上がる。「ゆっくりしなよ」と鳴は言うけれど、私は首を横に振った。お嫁さんの立場なのだ。いつまでもお客さん然としているわけにはいかない。そう思ってお義母さんがいるカウンターキッチンの方へと足を進める。

「ご馳走様でした」
「あら、もっとゆっくりしてていいのに」
「でも…」
「いいのよ、お客様なんだから」

お義母さんは私の手からカップとソーサーを受け取ってニッコリと微笑む。色素の薄い髪に、青色の瞳。鳴はお義母さん似だ。早くに結婚したらしいお義母さんは、玲さんがすでに三十半ばの年齢だというのにまだ還暦前なのだという。さらに肌艶も美しい。綺麗な人、という言葉がよく似合う存在だ。とても孫が三人いるようには見えなかった。

「…ねぇ、紗南ちゃん」
「はい」
「ちょっとお話しても大丈夫?」
「……はい」

お義母さんはそう言って私に向かって手招き。コンロの近くまで来るようにと言い示すその行動にひとまず素直にしたがった。…どうやらリビングにいる鳴のことを気にしているらしい。それだけで、なんの話か察してしまった。私がごくりと喉を鳴らして唾を飲み込めば、「ごめんなさいね」とお義母さんは眉を下げて口を開いた。

「2月に電話したでしょ。あの時も鳴に怒られたけど、後日あの子が改めて家に来たの。それでね、私と主人に向かってハッキリ…自分だって子供のこと望んでたけど、紗南ちゃんが心から望まないならそれを無理に強要することはしたくないって言ったのよ」
「………」
「…それを聞いてね、私も主人もすごく反省したの。去年一年間はそれで紗南ちゃんすごく悩んだって鳴が言ってたから…随分と無理強いさせちゃったわよね」
「…そんな…」
「鳴と紗南ちゃんの人生だもの」
「……私は、」
「うん」
「…もし、そうなったら、産みたいと、思うんです。授かりもの、なので。でもまだ、勇気がない…というか……」
「……そうよね…」
「……まだ、少し、時間はかかるかもしれない、んですけど……」
「いいのよ、それでいいの」

不意に、お義母さんの掌が私の肩を抱き寄せた。突然のことに驚いたけれど、私はそのまま身体をお義母さんに預ける。目覚めた翌日の電話、日記に書かれていたこと、その数少ない情報から私は彼女の存在に少し恐れを抱いていたけれど。実際のお義母さんは優しくて、その温もりは鳴に似ていた。きっと今までもこうして、近くにいない私の母親に代わって寄り添ってくれていたんだろう。だからこそ。

「私は、鳴くんと、本当の家族になりたいんです」

それはあの日から抱いている揺るぎない決意だ。


「…なにしてんの?」

呆れたような、微笑ましがるような。そんな声が抱き合っていた私達に掛けられた。私が振り返れば、そこには鳴が立っている。

「母と娘の触れ合いよぉ」
「もういい年なんだからそのぶりっこみたいな話し方やめたら?」
「失礼ねぇ」

鳴は意外とお義母さんにも辛口だ。これもまた意外な一面。まあこの歳になってまでお母さん大好きなマザコンでも困るけど。そんなことを考えていたら、「紗南」と鳴が私の名前を優しげに呼んだ。

「こっちおいで。シルクがフルート演奏してくれるって」
「うん」

差し出された鳴の掌。私はお義母さんからそっと離れてその手をとった。なんでもないそんな行動だったけれど、その瞬間、ああ幸せだなって思ったのだ。いつだって鳴は私に手を伸ばしてくれる。進む先は、こっちだよって教えてくれる。
鳴のことを、きっと甘やかされて育ったんだろうなぁって思ってた私だけど、でも今日こうして彼の育った環境に少し触れてわかったのだ。沢山の愛情を与えられて育った鳴は、今度は私に沢山の愛を与えてくれる存在になったってこと。遠回りしてここまで辿り着いた私たち。

(私、ちゃんと、鳴を愛してる)

日記に書かれていた言葉をなぞった想いじゃない。私自身の、想い。
それを実感出来たのだから、緊張しながらも成宮家に来て良かった…と私は人知れず笑みを浮かべた。






とはいえ。
やっぱり怖いものは怖いと思うのが心情なのである、と。昼間のやりとりを思い出して幸せに浸っていた私は、あの日から頭にこびりついて離れない単語を脳裏で何度も呟いた。

(…セックス…)

いや、もう、本当に。言葉にするのも恥ずかしい。カルロスくんに罪はないし、いつか向き合わなければいけない問題だとは思っていたけれど、急に浮上した難題に思わず頭を抱えたくなる。

あの後次女の和さん家族を迎えた和やかな成宮家での集まりを終え、自宅に帰ってきたのは既に21時近かった。そのまま順番にお風呂に入って、先に二階の寝室に上がった私。鳴も多分そのうちやってくるだろう。その前に、どうしても気持ちを整理したかった。ベッドに腰掛けて、手に持ったスマートフォンで検索する言葉は、『初体験 痛い』『セックス 怖い』とかそういう類のもの。

はじめてのセックスでは、処女膜が切れる痛みだけではなくて、緊張などの精神的な影響によって膣が十分に潤わず、痛みを感じることがあります。初体験からセックスが気持ち良くなることは難しいかもしれません。

そんな文を見て、私は思わずウッと言葉を詰まらせた。……いや、でも。そもそも身体は27歳なのだから、処女膜というものはとっくに喪失しているわけだし……案外、大丈夫かもしれない…。そんな楽観的な考えと不安がいったりきたり。私は大きな溜息を吐いた。

私たちの新しい人生に投げ込まれた小さな石。あの稲実メンバーとの飲み会から、約二週間。あの日以降もそれまでと同様に私と鳴は一緒のベッドで眠っているけれど。……その、小さな石の話は、全くしていない。そしてなんだったら…鳴が私にキスする回数が、減った。
それまではわりと…多かったし…なんだったら舌を絡ませるようなキスも何度か経験した。……もしかしたら、このまま…って思うこともあった。だけど、ふたりで生きていくって決めたあの日以降、そういうキスを鳴はしなくなった。
……普通逆じゃないのかって思うのだ。未だに鳴が何を考えてるのかわからない時がある。

「…どうしたの、そんな難しい顔して」

その声に、チカチカと目に悪そうな光を放っているスマートフォンから視線を外した。顔を上げる。寝室に入ってきた鳴。私は「なんでもない」と言い、スマートフォンの電源を切って、ベッドのヘッドボードにそれを置いた。

「そう?」
「………」
「なに。なんかあった?」

掛け布団を捲って、私の隣に腰を下ろした鳴。怪訝そうな顔をしている。……やっぱり、知らぬ存ぜぬは通せないよなぁ。そんなことを囁くのは、私の心の声だ。ごくりと唾を飲み込んで、私は唇をゆっくり開いた。

「……鳴は、したい…?」
「なにを?」
「…セ、セックス…」

蚊の鳴くような小さな声で囁く。ぼおっと火がついたように頬が赤くなるのが自分でもわかった。

「………」
「………」

沈黙が部屋を支配する。チラリ、と鳴を見やれば…彼はその切れ長の目をただただ見開いていた。中央の青い瞳に顔を真っ赤にした私の姿が映り込んでいる。

「………」
「………」
「…紗南は、…したいの…?」
「…わ、かん…ない…でも、…」
「…でも……?」
「…いつかは向き合わなくちゃ、いけないこと、だから…」

私がそう言えば、鳴は、ハァ、と小さく溜息を吐いた。そして徐に彼の左掌が私の右手を掴んだ。お風呂上がりだからか、鳴の掌の体温は高い。筋張ったそれが私の掌を重なるように持って、そして…

「…ッ!?!?」
「これが紗南のナカに入るんだよ?」

耳元で囁かれる言葉は熱っぽく。私の右手に感じるのは、スウェット越しの感触---所謂鳴の局部だ。私は咄嗟に自分の手を引っ込めようと腕を引く。けれどそれを鳴は許さない。…もう、私、溶けて、なくなりそう。

「紗南」
「…ッ、ぁ、」
「…できるの?」

再度確認するような、言葉。煽るつもりなのか、彼の舌が私の耳朶をチロリと舐める。

「………こ、」
「…うん」
「こわ、い…」
「うん」

私が本心を呟けば、ようやく解放される右手。思わずすぐに胸の前へ。左手でそれを包み込む。掌に残る感触。心臓がバクバクと煩い。廻る血潮。視界がじんわりと滲む。悲しいわけでは、ないけれど。潤んだ瞳で鳴を見つめれば、彼はその柔らかな髪の毛をガシガシと掻きながら、もう一度溜息。私をジッと見つめている。そしてその柔らかな唇をゆっくりと開いた。

「…紗南がしなくちゃいけないって、思ってるうちは…俺はしちゃいけないと思ってる。紗南が本心からしたいって思ってくれるまで、俺は待つつもりだよ」
「……でも、鳴、辛い…でしょ…?」

---じゃあお前ら半年以上セックスしてないってこと?

彼を哀れむような声が、頭から離れない。このまま『しない』という選択肢を選び続けることで、その問題から逃げることで、鳴との距離が開くのが嫌だった。鳴に嫌われるのが嫌だった。だけど、

「これが俺なりのケジメ」

鳴はそう言って私の唇に軽いキスを贈ると、困ったように笑った。…彼もまた、努力している。それを実感し、私も眉を下げる。
さっきまで部屋に充満していた熱っぽい雰囲気が、徐々に冷めていく感覚。

「さ、もう寝よ?」
「……うん」

鳴はその言葉と共に、夏用の薄い掛け布団を捲った。私はその提案に素直に従って、身体を潜り込ませる。彼もまた布団の中に潜った。そしてふたりでしばらく見つめ合う。腰に回った鳴の太い腕。密着する身体が嫌というほど先程の行為を思い出させる。

「…あの、さ」

鳴の口端がぽつりと言葉を零した。

「今年はうちのチームかなり調子いいんだよね」
「…うん」
「……だから、さ」
「うん」
「…リーグ優勝したら、……考えてくれる?」

なにを、というのは勿論聞き返さなかった。聞かなくても、わかる。私はその言葉に小さく頷いた。鳴はそんな私の同意をしっかり確認してから、…私の額に柔らかな唇を押し当てる。

「おやすみ」
「…おやすみ」

優しいキス。私の髪を撫でる鳴の指先。その暖かさに私はゆっくりと目蓋を閉じる。トクトクと感じる彼の鼓動。私はそれを具に感じながら、恥じらいと幸福の狭間で眠りの世界へと落ちていくのだった。