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「…お、上手くいった」

 手持ちのタブレットを見ながら相手チームの誰かがリスポーン地点へと戻された事を確認し、再びスペシャルゲージを貯める為に黙々と塗られたエリアをバケットスロッシャーで塗り替えしていく。
 基本的に対人戦はあまり得意ではない為、普段からガチマッチに潜っている時も仲間の足場を確保したり、時よりヒッセンでバリアを張りながらお裾分けでサポートをしていたりした方が性に合っていた。ナワバリバトルでも塗っている方が勿論おカネになるので、専らスペシャルでのサポートと塗り専に徹するようにしている。
 残り時間も半分程になった頃、未だ誰にも塗られていなかった南のエリアを今のうちにバケットスロッシャーを振り上げては辺り一面を一気に塗り続けた。

(…出来る事なら、早く、終わって欲しい)

 心臓の辺りを押さえつけるように右手で胸元を掴み、フクに皺が出来る程に首からさがる指輪諸共強く握り締めた。バトルが始まってからというものの、外傷的なものではない謎の痛みがずきずきと胸の奥から響き、まるで危険信号のように自身へと訴えかけてきているようにも感じた。塗りに徹してさえいれば相手チームとの交戦も少ないどころか、同じチームとさえ顔を合わせる事が少ない為、一瞬歪めた表情がばれてしまわずに済んでいるものの、時間が経過するにつれてその痛みは少しずつ増していっていた。

「…っ、あと、一分三十秒」

 マップを見たところ地道に塗り続けていた成果が出たのか今のところ優勢であり、このまま攻防を続ければ押し勝つ事が出来るはずだ。そう思い、唇を噛み締めながら大体塗り終わった南のエリアから移動しようと一本道の細い通路を進んでいると、すぐ後ろにスーパージャンプの着地地点を表すマークが表示され、不思議に思いその場に立ち止まって待っていれば、自分よりも少々遅いタイミングで飛んできたのはホクサイ・ヒューを片手に担いだ幼馴染だった。

「…ちょっと来い」
「あ、ちょ…! な、何? こっち、早く塗らないとっ」

 隣りに降り立った瞬間に腕を掴まれ、なりふり構わずずりずりと再び南のエリアへと引き摺り戻されていく。真ん中に佇む障害物の影でしゃがむよう指示をされ、その威圧感に抵抗出来ず言われるがままにその場へ座り込むと、何処から持ち出してきたのか、濡れたタオルを取り出すと汗ばんでいた顔と首元を簡単に拭ってくれた。少しだけさっぱりした体は気持ち、体を軽くさせたように感じる。

「ごめん、ありがとう。いつから気付いてた?」
「バトルが始まってからずっと、心配はしてた」
「へ?」
「……だって、赤いだろ。インク」

 声色を落としながら俯き呟いた彼の言葉で、自分でも気付いていなかった違和感にようやく合致がついた。
 赤。人生の中で一番、自分が苦手としている色。しかし、決して近付きたくない程に嫌悪しているという訳ではなかった。ただの赤であれば勿論平気で触る事も出来れば見る事だって出来る。なるべく触れるような機会がなければいい、と心の奥で一人そう思っているだけで、多少であれば生活上支障が出る事も無い。
 しかし、今現在のように自分の周りが全て赤く染まりつつあるという状況は今までにもなく、自分でも見るに耐えないものだった事に彼の言葉で今更気付いたのだった。自身が赤に包まれている恐怖にぶるりと体が震える。一気にずっしりと重くなった頭と顔を覆うように両手で抱えていたその時、いつにも増して温かいぬくもりが交えた小麦色の手のひらが頭を撫でてくれていた。

「……辛かったら、スタートんとこで待ってろ」
「い…いやいや! さすがに、そんな無責任な事は出来な…」
「バカヤロー。塗り専のお前一人サボった所で負ける訳ねぇだろが」
「なっ…何それ。永遠ランク10のくせに」
「永遠言うな!」

 そんなぶっきら棒な言葉にも、彼なりの不器用な気遣いと優しさが含まれているのを昔からよく知っている。だからこそ、普段通りに接してくれている彼に感謝をせずにはいられない。次第に呼吸が整い、残り時間も僅かになってきた頃、敵陣の方から南のエリアに向かってインクがぽたぽたと落ちてきているのに気付いた。相手チームの誰かがリスポーン地点からすぐ側にあるこのエリアを、少しでも塗り返そうと慌ててやってきたに違いない。バトル終了と同時にやられてしまうなんてあまりにも情けなさすぎる。そう思い、重い腰を上げようとしたその時、何も言わぬまま肩を押され再び尻餅をつくと同時に、下がっていろとでも言うのかシッシッと手で追い払われた。

「おい」
「悪いがアイツとタイマン張るのは俺の役目だ」
「アイツって…」
「さっきはしてやられちまったからよ。なぁ、パッチンボーヤ」

 眩しい太陽の光に交じりながら颯爽と空から着地し、すかさずN―ZAP85で狙いをつける彼にすぐさまインクの海に潜り込んだ幼馴染は、一度後ろに下がっては対角線上を真っ直ぐに彼と視線をぶつかり合う位置で立ち止まった。警戒し合う二人の表情は普段のようなふんわりとした柔らかさは消え失せており、緊迫した冷たい空気が小さなエリア内をじんわりと包んでいく。

「えっと…ヨリさん、でしたっけ」
「ん? あぁ、もしかして…あのこんがりニットから聞いてんのか?」
「こんが…? あぁ…はい、そうですね。最近、マゴさんの銭湯に入り浸り始めたチャラいニーチャン、って聞いてます」
「…あンにゃろ…」
「あの」
「あぁ?」
「ひとつ、提案なんですけど。さっきは不意打ちみたいになっちゃいましたし…今度はタイマン、しませんか」

 バトルに対していつになくピンク色の瞳に強さを魅せる彼の立つ腕は、実際には目にした事はなけれど、おちゃらけている割に強豪揃いとも言える相手チーム内でも一、二を争うものだと聞いた事がある。N―ZAP85、パブロ、3Kスコープ、ノヴァブラスターという、程よくバランスのとれたブキ編成と各個人の才能に準じた、ばらばらに見えて実際は互いが互いに支え合っている四人のプレイスタイルが全員の力を百パーセント引き出せているのだろう。
 ふと手に持っていたタブレットを再度見下ろしてみると、いつの間にかじわじわと敵陣の範囲が広がっており、最後まで勝敗が分からない程の割合にまでそれは達してしまっていた。

「ヨリ、無理はするな。お前に勝ち目ないぞ」
「うるせー。ケンカ売られて黙って引き下がれるか」
「あのなぁ…これケンカじゃなくて、ナワバリバトルなんだけど」
「やりますか、やりませんか。どうします?」

 彼の誘いが罠だという事は二人共重々承知していた。今回のナワバリバトルは勝つだけではなく、塗りポイントが最重要事項となっている。タイマンと称した足止め役を買って出て、他のメンバーに手薄になったエリアを今のうちに塗らせようと彼が考えているのは一目瞭然だった。それでも、売られたケンカを買わずにいるなど男が廃るというものだ。先程も一騎打ちでやられてしまったらしい幼馴染としては、どうやらここで逃げるなどという考えはまるでないようで、真っ直ぐに彼を見つめた瞳には熱い炎が確かに宿っていた。

「上等だ…マゴ、お前は手出すなよ」
「はいはい」
「テメーもコイツにゃ当てんじゃねぇぞ」
「えぇ、分かってます。勝負はシンプルに、行動範囲はこの南のエリア内のみ、どちらかがやられ次第終了。それで、いいですか?」
「はいよ。分かりやすくて助かるぜ」

 段々と蚊帳の外である雰囲気を感じ取り、被害を被らないよう中心へと繋がる細い通路へとおずおずと下がっていく。二人はもうお互いにしか眼中にないようで、ふうと呆れながら重い溜息を吐き出せば、いつの間にか残り時間は僅か三十秒程となっていた。


***


「くっそ…やるなぁ」
「アンタもな」

 結局ひとつも命中させられぬまま戦意は喪失し、楽しく雑談なんてはじめてしまったものだから、素直に降参しているのだと認めてしまってもいいくらいには諦めがついてしまっている。
 バトルが始まってから暫くの時間が経ち、始終遠距離ブキ同士で敵対をしていたものの、やられては戻りやられては戻りの繰り返しで多少自暴自棄になってしまっていたという事実は否めない。冷静さを取り戻せぬまま、幾度となく挑んだものの結果は惨敗。様々な角度から狙ったところでこちらよりも射程の長いリッターを巧みに操る彼女の正確無比なスナイプにぐうの音も出なかった。

「チャージ足りなくてラッキー、と思ったら、クイックボム投げ付けてくるんだもんなぁ」
「ある意味ではリッターの強み、だからな」
「ぐう…悔しい…」

 ふふん、と悪い笑みを零した彼女に感服するも、これでもプライドを持って今のブキを握り締めているので、今回のバトルで全く活かす事の出来なかった事実が非常に悔しくて堪らない。
 悶々とした頭で周囲を見渡すと、北のエリアではパブロでコンテナの周りをぐるぐると走っては遊んでいるイロメガネと、相方である彼にちょっかいを出してはゲラゲラと笑っている焼きイカちゃん、そしてそんな二人に翻弄をされて苛立ちが顔に出ている彼の様子を眺めて、尚更バトルという雰囲気ではなくなってしまっていた。

「…やってみるか、リッター」
「え、いいの?」
「あそこにいい的があるだろ。練習してみたらどうだ」
「はぁ…って、いい的ってもしかして…」

 マップ中央からすぐ下に伸びているくねくねと曲がる細い通路と、簡易エレベーターの到着点から真っ直ぐ見渡したその先にこじんまりと佇むスペースをとられた南のエリア。そこへと繋がる一本道にバケットスロッシャーを抱える年上のボーイの少々哀愁の漂う背中がぽつんと見えた。無防備にもその場から動こうとしない彼の視線の先では、どうやら壮絶な一騎打ちが行なわれているらしく、つまり邪魔をするなと押し退けられて一人あそこで観戦しているのだろう。それに比べて、初めの緊張感(最初からそんなものはもしかしたらなかったのかも知れないが)は一体どこへいってしまったのか、太陽の光できらきらと艶が光るリッターを彼女が軽々と投げて渡してきたので、落とさぬよう必死に受け止めると思っていたよりもそれはずっしりと重みがあった。危なく両手に力を入れていなかったらごろりと地面に転がしていたところだ。早速、見よう見まねで肩に担いではスコープを覗くと、普段以上に遠くが眺められるその長い射程に思わず感嘆の声をあげてしまった。

「な、何これすっげー…」
「一回ハマると抜け出せなくなるぞ。アンタみたいな芋は特に、な」
「い、芋は卒業したつもり、なんだけど…」
くつくつと屈んだ自分を見下ろしながら笑う彼女にげんなりして、すぐさま担いでいたリッターに傷を付ける前に丁重にお返しする。
「よくそんな重いブキ背負って狙いつけられるなぁ」
「慣れだよ。見てろ、見本みせてやる」

 撃ちはしないがな。
 そう一言だけ小さく呟いて、キュインとインクをチャージする音がきりきりと唸りを上げていく。
 バトルの終了まであと残り僅かとなった今、地平線の彼方へと走る一本道のように真っ直ぐと射すように伸びた斜線が静かにマゴさんの背中へと差し掛かったその時、すぐ目の前で想像もしていなかった事故が起こってしまった。

「ハットちゃん、何してんのー!」
「うわバカ、やめ」

 突如、彼女の背に飛び乗った焼きイカちゃんと、その衝撃で体勢を崩し掛けたハットさん、そして射出されるはずのなかった凝縮されたインクがリッターの銃口から斜線に沿って飛んでいくのを確かに見た。瞬間、その先で弾け飛んだ何かにその場にいた全員の心臓が凍った。


***


 一応、プライドというものはある。あれで勝ったと思っていると思われる事が嫌だった。
 北のエリアでの攻防後、とにかく塗らなければ勝てないという一心で全体マップを眺めながら淡々と赤のインクに塗れていたエリアを中心に一人塗りに徹していた。中心エリアと北のエリアはハットさんと焼きイカちゃんで守りを固め、その他ランダムに動き回りサポートとパブロの奇襲による錯乱攻撃でフデオロシちゃんが相手チームのスプラスコープの気を引いてくれている。そしてバトル終了間際の今、南のエリアを塗るには最高のタイミングだった。早く塗って塗り替えされたのでは意味がない。だからこそこっそりリスポーン地点へと戻り、誰にも気付かれないよう最後に塗ってしまおうと考えていたら、そこには意外にも先客が二人そのエリアを既に塗り尽くしていた。
ある日をきっかけに時々顔を合わせるようになった銭湯の店主、そして、まだ顔を合わせた事はなかったけれど噂に聞いていた年の割には少々チャラチャラした彼の友人と再び相見えた。
 これは最早試合とは関係のない互いのプライドの問題で、さっさと勝敗をつけるにしろ、正々堂々と挑むのが最低条件であり筋というものである。自分自身、何故ここまで彼との対峙に熱くなっているのかは分からない、しかし、浮かぶ疑問とは裏腹に胸の奥の心臓は確かに昂ぶっていて今か今かと飛び出すタイミングを楽しみに待っている。

(…先手を打つか)

 互いに警戒してその場を動かない中、咄嗟に背中に隠していたスプラッシュボムを彼の足元へ素早く転がした。しかし、素早い反射神経ですぐさま赤い海の中へ逃げ込んだ彼を追うように、自身もイカの姿となってはすぐさま泳いでその距離を詰める。爆破して飛散した白のインクへと潜り、ヒトの姿へと戻った瞬間に点々と赤く潰れた地面を粗方荒らして陣地を広げては、逃げる標的に向かってインクの弾を撃ち続けた。すると、いつの間にか中心の障害物の上に避難していた彼もすぐさまホクサイ・ヒューを構えては大きく振り下ろし、大量の赤いインクを撒き散らし塗り返していく。

「チッ…もっと近くに来いよ、当たんねぇだろ」
「当たりたくないから、離れてるんですけど…ねっ」

 N―ZAP85より少々射程の短いホクサイ・ヒューなら一歩その場所を後ずされば諸に攻撃を受ける事はない。しかし、筆を振る度に飛散するインクは同じ筆であるパブロよりも遥かに量が多い為、油断をしてしまうと頭から諸に被ってはそのままリスポーン地点送りも有り得ない話ではなかった。

(と、すると)

 勝負を決めるには、一瞬のうちに正しい判断を下す力が必要である。
 彼の懐へと飛び込み、ブキの振りが止まった瞬間に隙をつき空いた下腹部へとN―ZAP85を突き出しては、すぐさまインクの弾丸をぶち込んで倒すしかない。
 一番確実な方法としてはスプラッシュボムを囮に背中を取る事だろうが、如何せん彼はどうやら聴力と気配を察する能力に長けているらしく、例え囮としてボムを使ったところで回り込んでいるという状況はすぐに勘付かれてしまうだろう。そうなるとやはり、あまり頭のいい方法ではないけれど正面突破で壁を打ち破る以外、残り時間のない今、その方法しか可能性を見出す事はできなかった。

(次で、決める…!)

 インク切れを起こした彼が慌てて一度インクの中へと着水し、すいすいと泳ぎながら回復を待っているその波立つ瞬間を狙い、囮のスプラッシュボムを進行方向の先へと投げ付ける。ちょうど隅に到達した瞬間に爆破した直後、回避するのは勿論逆方向へ反転するように泳ぐ以外はない。確実に逃げ道を一つに絞り、必ず後戻りをして回避しようとするであろうと思っていた道筋に向かってインクの銃弾を放った、はずだった。

「な、に!」
「…甘いんだよ、バーカ」

 背後で落ちた低い声に慌てて振り向くと、一歩二歩三歩と直前まで彼がいたと思われた隅へ追い詰められ、気付けば自分の逃げ場を完全に閉ざされている状態になっていた。

「な、何で」
「お前がボム投げた瞬間、俺も同じ場所に投げてたからな」
「そ、相殺してたのか…!」

 まさか封じたと思った逃げ道をすぐさま復活させて脱出していたとは思いもせず、反転せずにそのまま真っ直ぐに泳いだ後、こっそりと自分の背後に回ったとすれば確かに納得できる。ぺたり、と突きつけられたホクサイ・ヒューの毛先が胸元を触れ反対色である彼のインクが体全体をびりびりと痺れさせていった。

「ま、いずれにせよ、俺の勝ちだな」
「はぁ…残念ですけど、そうみたいですね」

 ごくりと喉を鳴らしながら最早手も足も出ない今の状態にリスポーン地点へ還る覚悟をし決め、負けを認めてはブキを握り締めていた両手を降参だと言わんばかりに頭上へ掲げた。

「…ヨリさん?」

 その瞬間、目の前でホクサイ・ヒューを構えていた彼が何故だか突然にその場を離れ、まるで試合を放棄するように焦燥した表情で中央エリアへと繋がる細い通路へと駆け出していた。そして、その先に見えるのは呆けた顔で不思議そうに見詰めているマゴさんが彼の影の中へと沈んだその瞬間。

「っ…マゴ、後ろ!」
「へ?」

 胸元で抱えていたバケットスロッシャーを包む両腕を掴み上げ、引っ張り投げるようにその体を南エリアで突っ立っていた自分へ向かって突き飛ばすと、背中から流れてきた一回り高い長身のその体は互いを巻き込む形で地面へと倒れ込み、雪崩れるようにインクの海へと落ちていく。

「…ヨ、リ…?」

 無音と化したシオノメ油田の雲一つない青空にリッターの奏でる射出音が高らかに響いた。そして、目の前で飛散しリスポーン地点へと還されていく彼と、最後の最後に残ったのは、まるで鮮血のように地面へ大きく散りばめられた赤い大量のインクとマゴさんの消えるような気の抜けた声だけが落ち、辛うじて繋がっていたはずの何かが目の前でぷつりと切れる音がした。

「あっ…あぁ、ぐ、うぅ…!」
「マゴさん…? し、しっかりしてください、マゴさん!」
「はぁ、は…あっ、うぅ…い、たいっ…!」

 明らかに様子がおかしかった。まだ出会って間もないけれど、こんなにもがたがたと体を震わせ焦点さえ合わず、呼吸も酷く乱れた彼を見るのは初めてだった。
 このままでは上手く酸素を取り込められずに過呼吸で意識を失ってしまう。両手をついて蹲る彼の背中を必死に撫でては何度も何度も彼の綽名を呼び続けた。そんな中、バトル終了の表すホイッスルの音が油田の中で響き渡るも自分の頭の中にはさっぱり入って来ず、ただただ今にもどうにかなってしまいそうな彼を必死に宥めながら、恐ろしい程に冷たくなっていた左手をぎゅっと握り締めていたのだった。




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