「だからちゃんとパンツ履いとけって言ったろ」
「それとこれとは話が違うもん」

 ぶつぶつと文句を零す幼馴染を他所にシャワールームである程度汚れた身体を洗い流し、ぐったりと疲れ切った彼を背負ったままクマサン商会の事務所の出入り口をくぐり抜けると、ハイカラスクエアの広場の中心にまだ彼のバイト仲間だった顔ぶれを見つけて軽く声を掛けた。そもそも何故窮地に陥った幼馴染を助ける事が出来たかというと、パンツを履かずにアルバイトへと出向いた彼を追いかけてクマサン商会へと駆け込んだその時、ちょうど事務所へと帰還していた三人にその行方を聞いてみたところ彼らも同様に行方知らずになっていた幼馴染を探していた。

「バイトの最中に招集かかったんだよ。今ちょうどシャケ達が繁殖期らしくてさ、興奮状態で危険だからイクラ集めも中止だって言われて」
「で、戻ってみたらマゴのヤツだけ帰って来てないっつー」
「そ。何かあったのかも知れないし、みんなで探しに行こうとしたらクマサンが船はもう出せないって言うからよ。どうしたもんかって相談してたとこ」

 シャワー上がりなのか濡れたアセストップソシナを首に巻き、ガシガシと頭を掻きながらそう零した褐色肌のボーイはお手上げと言わんばかりに古いクーラーボックスの上にどしんと腰を下ろした。といえど、このまま事務所内で何もせず突っ立っているだけでいるなど出来るはずもなく、彼らの制止を押しのけ港に停めてあった小型の漁船に乗り込み、就業場所だったというポラリスという場所へと急いで向かった(船の運転は初めてだったが、心の余裕がなさすぎて四の五の言っている場合ではなかった)。そしてなんとか行き着いた先で見た壮絶な光景に、やはり悪い予感は的中していたのだと小さく溜息を吐きながら幼馴染に群がるシャケの一掃に取り掛かったのだった(勿論、クマサンにはしこたまお叱りを受けた上、バイト代も没収されて散々だった)。

「まぁ、何はともあれ。無事で良かったよ」
「おっさんなんだしあんまり無理しないでさ、若い俺らに任せとけって」
「うぐぐ…ベルヒくん、君の名前はしっかり覚えたからね。後悔しても知らないからなぁ!」
「悪いけど今のお前じゃ説得力がない。はい、解散」

 勿論、本人の為にもあの場で一人残され性的な意味でシャケに襲われていたなどと話せるはずもなく。ロブスターブーニーを被った若いボーイにけらけらと腹を抱える程に笑われ、背負われたまま自棄糞で反論を繰り返す懲りない幼馴染の頭をコツンと小突き、一言礼を言っては重い腰を上げて未だぶつくさ零している彼を他所にゆっくりと帰路を辿った。
 二人以外誰の姿もない、しかし今ではもうすっかり見慣れた細い小道をずんずんと進む。ハイカラスクエアの広場の賑わいとは雲泥の差ではあるものの、銭湯以外にも小さなスーパーや商店がいくつか並び、銭湯によく顔を出してくれる馴染みの常連客もそこで店を営んでいる者もいる。惣菜屋からは時より余ったおかずを貰い、花屋からは番台に華やかさがないと花束を贈られた事も少なくない。そんな、建物自体は古いものの客には恵まれている銭湯へと帰る最中、沈黙を貫いていた幼馴染が背後でぽつりと零した言葉に小さく溜息を吐いたのだった。

「……俺」
「あ?」
「パンツ、履くつもりなんてないから」

 一連の出来事が誰もパンツを履いていれば難を逃れられたものだったとは自分とて微塵も思っていない。繁殖期故に群れの中へと紛れた幼馴染が偶然狙われてしまっただけで、勿論パンツがその運命を左右したなどという暴論を押し付けるつもりもなかった。しかしだからといって、たかがパンツ、されどパンツであの薄いスパッツに直接浮き出る仄かな膨らみと臀部のラインが平然と公衆の面前に晒されているという現状が耐え難いものだという事に変わりはない。

「家ではいい。せめて出掛ける時くらいは履け」
「何でそんな酷い事言うの…」
「あのな、俺はお前の事を思って……ん?」

 性懲りもなく両者の意見が拮抗するうちに、いつの間にか辿り着いていた銭湯の門前に客らしき姿が数人立っている事に気付いた。よく見るとどれも見慣れた顔ぶりばかりで、どうやら風呂へ入りに来たものの店主の不在に困っていたところだったらしく。

「あ、やっと帰ってきた! 全くもう、今日休みなのかと思ったじゃん」
「ケンちゃんってば、今来たばっかりなのによく言うよ」
「えっと…ユウくんにケンイチくんか。それと…」

 店の前にいたのは一回り、下手をすれば二回り年下のボーイが二人、カモメッシュを被ったいつも元気いっぱいのケンイチくんとオーロラヘッドホンを大事そうに首へかけている物腰柔らかなユウくんだった。そして、その二人の後ろに佇み視線があった瞬間にぱっと笑顔を浮かべたのは、言わずもがなすっかり互いに顔を覚えてしまった大人のボーイ二人で店が開くのを今か今かと待ち侘びている。

「二人共バイト帰り…かな? お疲れさまです」
「ヒナタくん達も来てくれてたんだね。ごめんよ、今開けるから」

 普段はチビっ子を連れて顔を出すサファリハットのボーイとその友人は、家を引っ越して少し距離が離れてしまった今でも時々こうして風呂に入りに来ていて、今日はそのチビっ子らの姿はなくどうやら二人でゆっくり湯に浸かるつもりのようだった。背からゆっくりと降りた幼馴染が玄関の鍵を開けると、早急に暖簾を外に出し慌てて大浴場の湯を沸かしては番台の準備を始め、その間自分が貸出用のタオルを用意したり休憩所や脱衣所の清掃をしておくのが日課になっており、今日は午前中ハイカラスクエアへ出掛ける前に出来る限りの準備をしていた為、然程客達を待たせる事なく営業を始められたのだった。

「今日は待たせちゃったから、ケンイチくんお気に入りのいちご牛乳をサービスしちゃう」
「やったー! ユウくん、ちゃっちゃとお風呂上がっていっぱい飲もう!」
「あ、待ってよ! あの、えっと…お、オレはフルーツ牛乳がいいです!」
「はいはい、ちゃんと準備しておくよ」

 どたばたと脱衣所へ走っていく二人の後に、便乗していちご牛乳と普通の牛乳を注文する大人の二人(ちゃっかりサービスまでされようとしている)の姿も奥へと消えてようやく辺りが静かになった頃。すっかり喧嘩をする雰囲気でなくなってしまった気まずさに苦笑していると、番台越しにちらりと視線を合わせてきた幼馴染が声を出さずに、ごめんね、と口だけ動かして照れ臭そうに返すものだからそれ以上発展するはずもなく。

「…今夜は覚悟しとけ」

 カウンターを挟みそっと顔を寄せた耳元でそう小さく零すと、意外にも目を細めうっとりとした表情を浮かべながらお返しだというように彼が甘く艶のある声で囁き、思わず胸の奥がどくりと鼓動した。

「それはこっちのセリフ、です」

 と期待したところで、ノーパンの良さをみっちり朝まで語り尽くしてやる、と少々力の籠もった声でそう呟くものだから堪らず大きく肩を落としては重い溜息を吐く。

(ここまで意思疎通が出来ない事もあるか?)

 それでも今回ばかりは自身も譲るつもりはない。パンツを履かずにいる事で、どれだけのデメリットが発生しているかという事を彼にはきちんと理解してもらう必要がある。してやったりと言わんばかりに舞い上がる幼馴染が冷えたショーケースへ次々に瓶を入れていくのを横目に、今回はどうお仕置きをしてやろうかと一人心の中でぶつぶつと企みを巡らせていた。


***


「ごちそうさまでした! また来ます」
「はーい。今度はお兄ちゃん達とか妹ちゃんも連れておいで」
「俺達も次は四人で来ようかな。…騒がしくなるかも知れないけど」
「あはは、勿論大歓迎だよ。またいつでもおいで」

 一体何杯おかわりをしたのか、風呂に入る前よりもぽっこりと膨らんだお腹を手で擦り、満足そうにユウくんと店を後にしたケンイチくん、そしてさっぱり疲れも取れて上機嫌のヒナタくんとマサキくんは、家で留守番をしているであろう二人のチビっ子のお土産用にと瓶の入った袋を提げながら仲良く二人で帰っていった。ちなみに今から時を遡る事五分程前、どうしても第三者の意見を聞いておきたいが為に、たまたま一人休憩室でいちご牛乳を嗜んでいたマサキくんに一つ質問を投げ掛けていた。

「ノーパンって、別に変じゃないよね」
「…あぁ」
「よし…!」

 自分の考えはやはり間違っていなかったのだと確信し力を込めて、彼が不思議そうな表情を浮かべる中しっかりとガッツポーズを決める。その後、変ではないが外では正直、と続けて言葉を連ねていたような気がしたもののそこから先は聞かなかった事にしている(知らないままでいる方が幸せな事もあるのだ)。
 客足が落ち着き始め、そろそろ店仕舞をしようと各部屋の片付けを始めた深夜。外で暖簾を降ろしていた幼馴染に疲労の色が見えていたので、それならばと動けるうちに風呂に入ってしまおうと提案して同意を得た後、二人脱衣所で着替えていた時ある事に気付いてにやりと口角を上げる。

「…パンツを履いていないと、こんなにもフクを脱ぐのが早い!」
「な、何!」
「よって、一足先に風呂に入れる!」
「自慢か、それ!」

 こちらはとっくに全裸になったというのに、未だ下着を脱ぐのに手間取っている幼馴染を置いて勢い良く扉のサッシを開け放つと、すぐさま温かい湯気に包まれた身体に溜まった疲れが解されていくようにも感じて気分が良いまま洗い場の前へと腰を下ろす。やはりノーパンこそが人生を有利に過ごす為の第一歩なのだと自信を持ちながら、たっぷりのシャンプーを手のひらで泡立て群青色の髪をがしがしとしっかり両手で洗った。

「お前、それで勝ったと思うなよ」
「ふっ…負け惜しみは大概にしろよな、ヨリ」

 その後、山の絵が描かれた壁画を背に二人並んでゆったりと湯に浸かりながら、がっちりと合った互いの視線はバチバチと火花を散らしている。後々この時の事を思い出す度に我ながら下らない事で異様に張り合っていたなと呆れる限りだった(この場合、勝敗をつける意味も基準も不明であるせいか、尚更阿呆らしさが露呈してしまっている)。
そしてこの話が思わぬ方向へと転がったのは、この時点でもう既に勝負はついている、そう思っていた矢先の事だった。風呂から上がり勝ち誇った顔で着替えを済ませ(勿論ノーパンである)、今日は一日バトル、バイト、番台と珍しく身体にムチを打って働き通してしまったので疲れが残っており、すぐにでも床に就いてしまおうと二人で布団へ横になったその直後。

「……ッ、ちょ、ちょっと!」

 横になったはずの身体へ即座に自身を影で覆うような形で伸し掛かり、にやりとあやしい笑みを零した幼馴染に迷い一つなく右手のひらでスウェット越しに股間をむぎゅりと掴まれた。

「ふぎゃあっ!」

 あまりにも突然さに下品な悲鳴を上げてしまい、痛みのせいで小さな涙を浮かべながらきっと睨み上げるもその効果はなし。それどころかもにもにと握ったり掴んだりを繰り返すものだから、その度に沸々と音を立て怒りのゲージは水位を上げていった。

「ふっざけんな、何して…」
「ノーパンだと、こーんな事もすぐ出来ちゃうんだよなぁ」
「は? あっ…ひ、うぅう! や、やだぁ!」

 必死の抵抗も虚しく掴まれた両腕は頭上で押さえつけられ、股間を握っていた彼の右手がスウェットのウエストからするりと中へ侵入してはそのまま臀部の下へと回り細く長い指先が躊躇う事無く後孔から中へと侵入する。予め舐めておいたのかすんなりと奥まで入り、二本三本と肉壁を解しながらどんどん入り込んでくる度に身体はびくびくと反応してしまうのだった。

「ぁっ、や、ぁあ! そんな一気に、だめぇ…はうぅっ!」
「何だよ、自分から股開いてくせに。誘ってるようにしか見えねえっつーの」
「またそういう意地の悪い事言う! っ、ひゃう! も、そこばっかり、触るなぁ…ッ!」

 身体を捩り逃げようにも太腿の間に身体を入り込まれ両足の逃げ場はなく、結果的に膝が胸元へと付くまで上げる事しか出来ずに、結局逃れ切れない快感に嫌でも全身全霊で反応を示すしかなかった。それどころか動く度に沈む指に浮いた腰が震え、入れられたまま持ち上げられた下半身、その衝撃で脱げかかっていたスウェットが足先からぽとりと落ちた。すると突然挿し込まれた指がすっぽりと抜かれ、隠し持っていたらしいローションの容器の先をあろうことか直接後孔に挿し込み中へと押し入れた。

「ひあっ…ぁ、ん、つめたぁっ…」
「ちゃんと熱いのも注いでやっから安心しろ」
「きもい! うるさい! もう勝負はとっくに付いたでしょうが!」
「何言ってんだ。俺は負けを認めたつもりなんて、ねぇけど、よッ!」

 たぽたぽと撥ねる音が聞こえる程に冷たさに満たされたそれを漏らさないように必死に引き締めていると、すぽんと抜かれたその直後、既に屹立した彼自身が意図も容易く挿入を果たし、濡れたままの右手で陰茎を根元から掴まれてはその手を上下に、腰を前後に休む事なく身体が揺さぶる程に動かされていく。

「うっ、ぐ! ひ、やぁあ…そんな、激し…っ、の、俺、出ちゃ…ぁ、あぁあっ!」
「だぁめだっての。俺も負けず嫌いだからよ、勝つ為に手段は選ばないぜ」
「えっ…ぁ、何し…ぃ、たい! 嫌だ、何でそんな事するの!」

 そっと解放された両腕を掴んでいた手が髪を纏めていたゴムを抜き取り、顔の脇にだらりと微かに深緑に染まった群青色が垂れる中、今にも熱を吐き出しそうな反り立つ陰茎の根元を縛られ、締め付けられた痛みと放ちたくても放てない苦しさに思わず涙が浮かびそうになった。それでもこちらを見下ろす幼馴染の余裕の表情は一貫して崩れず、寧ろ得意げにほくそ笑み首へと顔を埋めたかと思えば、首、頬、耳へと口付けてそのまま一言、悪魔のような囁きを耳元でぼそりと落としたのだった。

「…明日からちゃんとパンツ履くって誓えば、このゴム取ってやってもいいぜ」
「な、なんて卑怯な…!」
「嫌なら結構。…ま、すぐ音を上げるだろうけどなッ」
「ぁ、ひあぁ! ぐちゅ、ぐちゅいって、ぁっ、や…んうぅっ!」

 応えられるはずもない要求をする幼馴染に目くじらを立て反抗を試みるも効果はなく、それどころか文句一つ言わせないつもりなのか、噛み付くように口付けられ無理矢理中へとねじ込まれた舌がぬるりと絡んだ。んっ、んっ、と僅かな隙間から息を吸い互いを求め交わるうちに意識もぼんやりと虚ろになり、知らずしらずのうちに彼の動きに合わせて自身の腰を前後に揺らしていた。

「ほら、大人しくパンツ履きますって言ってみろ。楽になるぞ」
「あっ、あ、んっ…や、やらっ…! 死んでも、言うか…っ、は、っくぅ! だめ、ナカ、熱い…ひんじゃ、ぁっ…や、あぁっ!」

 容赦なく臀部に打ち付ける膨れ上がった彼の陰茎は中に塗れたローションごと肉壁の向こうに潜む前立腺を何度も刺激し、その都度全身へと流れる痺れるような快感に自身のものとは思えない程の甲高い声がどんどん溢れていった。それでも道を塞がれたままの陰茎は熱を出しきれずにびくびくと震えを帯び、底で煮え立つ欲を吐き出せない辛さで今にも彼の要求に首を縦に振りたくて堪らない。

「お、願い…お願い、だから、おちんち、のこれ、外してぇ…ひ、うぅ!」

 皺だらけのシーツを顔の脇でしっかりと握り締め必死に襲い掛かる痺れから耐える中、透明な雫が両目から頬へ、そして枕へと落ち小さなシミを作りながらそう訴えると見上げた先の幼馴染は小さく為息を吐き、マゴ、と一言ぼそりと自身のあだ名を零した。すると今までの激しい行為が嘘だったかのように動きを止め、片方の手は持ち上げた腰を支えたまま、そしてもう片方の空いた手の指先でそっと目に浮かんだ涙を拭い、そのまま大きな手のひらで優しく頭を撫でたのだった。

「はぁ、はっ…よ、ヨリ…?」
「…ったく。分かった、分かったよ。俺の負けでいい。認めてやるから、せめて一つだけ約束しろ」
「約、束…?」
「そ」

 外へ出掛ける時は、必ず重ね履きの短パンを一枚上から履く事。切実そうにそう訴えてくる幼馴染に呆然としていると、直後に取り外された髪ゴムを畳の上へと投げ捨てられ、再び浮き出した彼の身体を咄嗟に抱き締めた。首の後ろへと両腕を回してお互いの頬を擦り付け合いながらしっかりと密着し、これでもかと言わんばかりに再びぱんぱんと激しい音を立てながら、奥へ奥へと勃興する陰茎をごつごつと壁へぶつかる程に押し入れていた。

「あっ、あんっ…ひ、うぅ! ヨリ…俺、も、イきそ…っ、イっちゃ、あ、や…ぁあっ!」
「こっちだって、もう、限界ッ…! はっ、く…マゴ、マゴっ…!」

 指先が力み彼の背中へと食い込む痛みを気にする余裕もなく、ただひたすらに求め合う互いの熱がぐんぐんと高まっていき、自然と合った視線、こんなにも揺さぶられている中で目の前に輝く茶色の瞳が酷く美しく見え、吸い込まれるように唇を重ねてはゆっくりと瞼を閉じた。体中から溢れる汗の匂いがやけに心地良く、暗闇に聞こえる幼馴染の熱い吐息が次第にぶれた視界を徐々に霞ませていく。

「っ…、やっと、お前の匂いになった」
「んっ…それ、どういう…」
「…生臭ぇのは、お前にゃ似合わねえからよ…ッ」

 すん、と小さく嗅ぎ取られたその直後、中で大きく膨れ上がった彼の陰茎から欲が一気に放出され、その熱に思わず口を放し肩口にぐりぐりと顔を埋めると、自身の先からも飛び出すように放たれた白濁が二人の下腹部にべったりと滴り落ちていく。その激流を止められるはずもなく全てを出し切った後、そっと抜かれた後孔からあまりの量の多さにローションと混じった白がどくどくと溢れ出ていった。

「は、ぁっ…あ、っく…わり、ナカ、やべえ、かも…」
「あっ、ん…ッ、うぅ、う…そんなの別に、いい、から…」

 このまま、離れないで。頭が朦朧としている中で無意識に落とした言葉が届いているかは分からなかった。それでも幼馴染は抱き締めた身体を決して離さず胸元へと引き寄せたまま、二人で皺だらけの布団の上へごろりと寝転び、未だ息を切らせている幼馴染のぬくもりに包まるようにその身を縮こませてはそっと意識を手放したのだった。





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