頭を打ったらしい。めちゃくちゃ痛い。
確認のため痛みの強い場所に触れるとさらに強烈な痛み。少し腫れている。
これは病院に行くべきか。打った場所が頭でなければ家に帰ってシップでも貼ればいいと思うだろうけども。
とりあえず起き上がって…と思うが足首に強い痛みを感じる。
まじか…と思いながら靴下をめくると見事な痣。これは後で青紫になってグロくなるなぁ…と思いつつ、道の真ん中では邪魔だろうと端に寄る。
「ついてないなぁ…って、あれ!?コナンがない!」
しっかり袋を持っていたはずなのに。
見通しもよく、一瞬で持ち去られたというわけでもあるまい。どこかに放り出したか?そんなはずもない。消えている。
「ええ…もう…なんなの」
頭は打つし、脚はくじくし、コナンはないし。
踏んだり蹴ったりとはまさにこの事だ。
意識しなくても深いため息が出てしまう。冷やしたりしたいが生憎片足で動けるほど体力はない。
人通りが少ない道でもないし、待ってればそのうち誰かに助けを頼めるだろう。
「お姉さん、大丈夫?」
可愛らしいショタボイス。
俯いていた顔を上げるとメガネの少年がこちらを見ていた。
「足、怪我したの?動けない?誰か呼んでこようか?」
「えっ…あ…で、できるなら…そうして欲しいけど…」
「じゃあ待ってて、誰か呼んでくる!」
赤い蝶ネクタイに、青のジャケット。彼には大きすぎるメガネ。
私は彼を知っている。
「き、君の名前は?」
「ぼく?江戸川コナン!探偵さ」
江戸川コナン、探偵さ。
それは、あまりにも覚えのありすぎる名言だった。