この場所に来た私たち二人は、特に何かを話すわけでもなく黙々と手元のピースを見つめては作業をしていた。

「………」
「……………」

 お互いの進歩はどうか視線をよこすだけで、特に会話は無い。
 いや、会話は要らなかった。

    *    *    *

『〇〇しないと出られない部屋に閉じ込めました。
 ⇨櫻井律・牛島若利』

 その手紙を俺は睨みつけ、グシャッと音を立てて握り潰した。
 突然この何もない空間に一人で来て、胸糞悪い手紙を見ればそりゃそうなる。
 あんの、ウシワカ野郎………こんな長い時間律ちゃんと二人っきりで何してやがる。
 イライラして、さっきから舌打ちが止まらない。もしこれで、律ちゃんが牛若に…なんて考えたくもない。
 早く出てこいという俺の願いも虚しく、二人が部屋から出てきたのはそれから五時間後だった。

「おっっっそい!!!」
「あれ、及川?」
「二人して何してたわけ!?」
「パズルだ」
「は?」
「疲れた……」
「二千ピースだったからな」
「集中したら割と早く終わってよかったね」
「ああ」



prev  next


Back
Top