「はぁ………」

 一人で閉じ込められたのはドアも何もない真っ白な部屋で、ここまで来ると平衡感覚も無くなってくる。
 カードに書かれた文字を読んで「愛、ねぇ……」と呟いた。
 いや、本当にこれが誰かと一緒とかじゃなくて良かったと思う。もし律と一緒だったら…と考えて、でも告白はしてるし、諦めきれていないだけで振られてはいるし。別に。うん。
 さっさと出ようと思い立ち、でも叫ぶってどれくらいの声量で?と疑問符が浮かぶ。
 いや、叫ぶ、だからそれなりに大声なんだろうけど。
「俺は、律のことが好きだ!」
 それなりの、声量で呟いてみたけれどやはりダメ。一人だし、早く出たいからと大きく息を吸った。

「俺は………っ律の事が!好きだ!!!」

 自分で言うのもアレだけど中々大声で叫んだりしないから、これはこれで珍しいと思いながらガチャリと鍵の開いたドアを開けた。

「……あ、」
「君、ほんと何なの?」
 開けた瞬間居たのは、意中の子である律と、オイカワ君。
 本人に聞かれてたと思うと途端に熱が込み上げてくる。
「……聞こえてた?」
「、うん」
「バッチリ二回ともね」
 余計な情報をどうも。及川君をジト目で見ながら少しだけ気まずくなって律の方を見ないようにした。
「………鉄朗の気持ちには答えられないけど、嬉しかったよ」
「!」
「だから……ありがとう」
「……おう」
 慣れないことでも、たまにはしてみるもんだなと少し照れ臭そうにしている律を見て思った。



「二人して俺の前で良い雰囲気になるの辞めてくれない!?」



prev  next


Back
Top