きりもち



桐山
【言っとくけど俺お前のこと、好きじゃないからな。好きじゃなくて…大好きだ】


「今日は、桐山」

「俺?嫌やってー」

「望月」

「っ、」
「え、」

「「「きゃーーー!!!」」」

「うわ、すごい!」
「アリーナ揺れたんちゃう!?」
「めちゃめちゃ盛り上がってるやん!」
「待って待って待って!これはなしやって!」
「あかん」
「みんな大好ききりもちやで?」
「このコーナー始まって一番沸いてる」
「やっぱり見たいんやなーみんな」
「ちょ、真夏引っ張らんといて」
「無理無理無理無理無理」
「神ちゃん盾にするんずるいで!」
「真夏ちゃん出てきてー」
「みんなさ!分かってるやん!メンバーもジャスミンも分かってるやん俺がこういうん真夏に出来へんって!」
「だからこそやん」
「やいやい言うなや、やれや」
「無理やって俺ほんまに真夏だけは無理!なんでもするからパスしよう!」
「あかんって」
「じゃあこうしよう!俺がメンバー全員とやるわ!俺が女役でええから!」
「それ俺ら嫌やって!」
「なんで俺らも罰ゲームせなあかんねん!」
「真夏、どうする?ほんまにいける?」
「無理やって、なんで?どこに需要あんの?」
「お前この歓声聞こえてないんか?」
「ファンは見たいんよ」
「真夏ちゃん、仕事モードに入ったら?ストイックおばけやろ?」
「それとこれとはちゃうから!!!」
「あ、やっと出てきた」
「顔赤っ!」
「照史ももう顔赤いやん」
「ちょ、30秒待って、気持ち作るわ」
「私セリフ言うわ」
「なんで?俺やろ」
「私言う。セリフ言いながら自分で感情をコントロールしたい」
「あかん、俺が言う」
「私が言う」
「俺が言うから黙って聞いといて」
「っ、今日の照史ずるいわ」
「30秒経った。いくで」
「それでは、お願いします」


「なあ、俺らさ、ずっと一緒やな」
「そうやね、幼馴染やもん。腐れ縁ちゃう?」
「腐れ縁?真夏はそう思うてる?」
「どういう意味?」
「俺はさ、真夏と一緒にいたいって自分で選んできたつもりやねんけど」
「そ、そうなん?」
「真夏は?腐れ縁やから?」
「どうやろな、考えたことないわ」
「じゃあ今考えてや」
「今日の照史、なんか変やで?いつもそんな聞いてこうへんやん」
「いい機会やからさ、教えてや。幼馴染やから仕方なく一緒におるん?」
「そういうわけじゃないけど…」
「じゃあなんで?」

「え、壁ドン?」
「真夏、頑張れ、やりきれ」

「……照史、無理、」
「真夏が教えてくれへんなら先に言うけど、俺、真夏のこと好きちゃうから」
「っ、」
「ただの幼馴染って思ったこともないし」
「照史、」
「俺、真夏のこと、」
「っストップ!ちょ、無理やって、聞きたくないって、うわっ、」
「っ、」


「「「きゃーーーーー!!!!!」」」

「……真夏さん、顔上げれへんくらい限界なんでここで終わりでいいですか?」
「ええんちゃう!?今ので十分ドキドキしたで?」
「やばいでこれは!好きって言うてないのにめちゃくちゃドキドキした!」
「またアリーナ揺れてるやん!」
「真夏ガチ照れやん!後半戦いけるん?」
「思いのほか照史がガチでびびったわ」
「真夏?」
「今、顔上げられへんわ」
「みんなでしばらく繋いで!真夏限界やわ!」
「照史のあほ」

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