あれだけ飲んでいたのにも関わらず二日酔いも無さそうに俺の顔を見るなり手を挙げるとっつぁん。まァ座れよトシ!と顔と身体中に無数の打撲を作った近藤さんが言い、ハァ…と思わず溜息を吐きながら腰を下ろした。
唐突にとっつぁんが切り出した内容を理解する事が出来なかった。三日間?休暇?そんな事が真選組の俺達に許される事のだろうか。しかも何だっていきなりそんな話になったのか。
「瑠璃音チャンが真選組へ入隊してから暫く経つが、もっともォ〜っと彼女と親睦を深めて欲しくてよォ」
「いやでもよ…」
「おじさん、瑠璃音チャンに嫌われちゃってるからよォ〜!だからせめて楽しい事して欲しいな〜なんて考えた訳よォ」
「だからと言って三日間も休暇にする事は…」
「ごちゃごちゃと煩ェんだよォォ〜!!鉛玉ブチ込むぞトシィィィ〜」
「おっおい待て待て待て待て!!分かったっつーの!しかし休暇っつーのは真選組全員なのか!?」
んな訳ねーだろォが!と言われ少し安堵した。そして休暇を取る事を許されたのは近藤さん、総悟、原田、山崎そして俺だった。いやいやいや!そんな時に攘夷浪士達が攻め込んで来たり大きな事件があったりしたらどうするんだよ。と思った所で、何かあれば見廻り組に逐一報告がいくようになっているから大丈夫だと近藤さんに言われてしまった。オイオイ…大将がそんなんで良いのかよ…。
「んで、とっつぁん。三日間の休暇をどう使えば良いんだ」
「それなら安心しろォ!もう予約はとってあるからよォ」
「は?予約?」
「あァ。お前達は温泉旅行で瑠璃音チャンと親睦を深めてもらう」
お、温泉旅行って…。野郎だらけの中行った所で一緒に入れる訳でもねェし、そんなんで本当に親睦なんて深められるのか!?厳ついガタイの良い大の大人がハイタッチなんてかましているが、そんな事にこの二人が気付いているわけでも無さそうだしな…。俺は幸先が不安でしかなかった。
20171025
旅館編 続
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