猫茶日和 > MY HERO ACADEMIA > 家族の時間
引越しの準備を淡々と行う。もともとどちらも荷物は多くないから、そんなに時間もかからないだろう。俺たちはこの家を離れて、雄英高校の学生寮と教員寮に移り住む。いろいろな思惑絡まった、学校側の決定だ。
「消にぃ、部屋の片付け終わったよ。手伝うことある?」
自室の扉を開けてマオが出てくる。たしかに隙間から見えるのは数個のダンボールのみになっていた。
「お疲れ様。こっちもそろそろ終わる。休んでていいぞ。」
そう伝えれば、マオは素直にソファーに座りマグカップに入れたミルクを飲み始める。ふとしっぽを見ると、ゆっくりと上下にぱたぱた揺れていた。…なにか考えごとでもしてるのか。
「ねぇ、消にぃ。」
「どうした?」
「雄英を卒業したらさ、どうしたらいい?」
質問の意図が分からない。だがさっきまで揺れていたしっぽがだらんと垂れていることから、真面目に聞いていることだけはわかる。片付けをしていた手を止め、隣にそっと座る。
「どういうことだ。」
「卒業したら、学生寮から出なきゃ。その時はやっぱ一人暮らししなきゃだめ?」
マオは感情豊かな方ではないし、言葉も足りない。それでも一緒にいる時間が長くなれば、何が言いたいのかくらい分かるようになってくる。
「お前が望むなら、俺の元に帰っておいで。」
きっと自分でもその思いを持て余しているいるんだろう。それでも先程まで垂れていたしっぽが垂直に立ちゆらゆら揺れている。
「えへへ、やったね。消にぃと一緒がいい。」
「卒業したらしても同じこと思っていたら、だけどな。」
どうか変わらず、君のままでいてくれれば、なんて。
柄にもなく思ってしまうんだ。
written by にゃぽん
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