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巫女

石壁に燈された松明の火に照らされた空間。
空気はひんやり冷たくて涼しい。
長い裳裾を揺らして松明の火の傍に寄った少女はゆるく掌をかざした。
赤橙の火がゆらりと動く。
「さあ、あと少し」
正儀式の始まりの鬨までもう直ぐ。
神の声を訊くために三日三晩を禊ぎ守り、それが終える。

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2017/04/05 幻想 

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