02.模範


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一方なまえ達の戦いが終わったあと、ボーダー上層部ではピリピリとした空気に包まれていた。
ボーダー内での力の均衡について忍田派と城戸派が揉めているようだ。

「一体どうなっとるんだ!
忍田本部長!何故嵐山隊とみょうじ隊が玉狛側についた!
ボーダーを裏切るつもりか!?」

「『裏切る』…?
これ以上刺客を差し向けるつもりなら、嵐山隊とみょうじ隊だけでなくこの私が相手になるぞ、城戸派一党。」

ノーマルトリガー最強の男とされる忍田の威圧により、一同は気圧されるものの城戸司令は天羽を使うと言い出し、より一層険悪な雰囲気になった。

しかし、そんな雰囲気を見事にぶち壊して入室した二人がいた。


…迅悠一である。

「失礼します。どうも皆さん、お揃いで。
会議中にすみませんね。」

現れた迅はボーダーの規則と風刃を盾に空閑遊真のボーダー入隊の交渉に入る。
…だが、城戸司令は食い下がった。

「そんなことせずとも私は、太刀川たちとの規定外戦闘を理由にお前のトリガーを取り上げることもできるぞ?」

「その場合は当然太刀川さんたちのトリガーも没収なんだよね?
それはそれで好都合。平和に正式入隊日が迎えられるならどっちでもいい」

ここで迅の言葉に反論しようとした城戸司令に割込むようにドアを開ける者がきた。

「失礼します。大切な会議中なのに割込んで申し訳ない。」

現れたのは勿論なまえで、刺客として命令された筈なのに裏切ったものだから勿論鬼怒田から怒声が上がる。
対して迅はようやく来たか、と少々呆れ顔だ。
そんな中、城戸司令は静かに問いかけた。

「…命令に従わなかった者がなんの用だ。
今は迅の処遇について話していたというのに。」

「私は1広報部隊として他の隊員の模範となるよう、規定に基づき動いたまで。
私の直属の上官は忍田本部長であり、貴方の命に従う道理はなかったのです。
それに貴方が言ったように隊員同士の規定外戦闘は違反であり、私はそれを止めるよう命令されたものに従った。それだけです。」

圧倒的な威圧感を放ちながら答えを待つ城戸司令に対し、どこ吹く風といったような涼しい顔をして彼女は答えた。
そんな彼女を一瞥しながら話を戻す城戸司令。

「規定外戦闘についての迅となまえの処遇だが…お前逹のトリガーだけ没収だと言ったら?」

「試してみなよ、そんな話が通るかどうか」

「とてもじゃないけど公平性には欠けてると思うけどね。」

迅となまえは城戸司令を真っ直ぐに見据えてそう言い放った。

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