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07:00 27 / Dec
ある所を辿ると小さい国があって、小さい王様が4人とずっと留守の小さくて一番偉い王様がいる。
そこを跨ぐと次元と次元を越えられて、今とは別ルートの次元に渡れて、粘土みたいに好きに捏ねられるのだ。
そこで台所を綺麗にして汚点を拭い去り、サマーウォーズの陣内家みたいな家族を得ることが出来た。総出でよく分からないテーマパークに行ったり、雷雨の中外に行こうとする子どもたちを家に留めようと、飛んで来る色とりどりの不思議な形をした風船の中かからたったひとつの虹色の風船を掛けてじゃんけん大会をしたりした。中には良いものが入っている。とても心地好いところ。
ただ元の次元に置いてきた猫がいて、どうしてもその猫が諦められなくて他の猫で実験をした。だけど猫は次元を越えるとどんな猫でもリセットされて白と黒のボーダー柄の子猫になってしまう。3匹のボーダー柄の子猫をゲージに入れてうんうん唸りながら悩んだ。
次元を跨いで猫の元に行った。向こうとは似付かない寒くて埃っぽくてボロっちい家。そこに猫はいた。赤茶の猫はこちらに気付いてゴロゴロ鳴いて頭突きをしながら懐いて来る。猫は会わない内にすっかり老いていた。
猫を抱き上げて次元を跨ぐとそこは酷い雷雨だった。雨ざらしになって子猫は酷く弱ってしまう。家に戻りゲージに入れてやっても子猫は震えるだけだった。近所の子どもに「弱ってる、ねえ◯んじゃうよ……」と言われているのを聞きながら、あたためることもせずにただ茫然と白と黒のボーダー柄の子猫を見るだけだった。
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