二度ある事は三度ある


おい、おいお前ら。


「怪しい所はないな……安室さんどう思う?」

「身体能力とあの不思議な力……それに僕達を知っているとなれば野放しにはできないな……」


うん、そういう相談は本人がいない時にするもんだよ!
それに何故腕を縛り付ける必要があるんだい!?

私は今、安室さんの車内に入れてあったロープで両腕を縛られ、その腕を安室さんの片腕によって固定されています。


ちくしょう!!男性には!やっぱり力技じゃ勝てなかった!!
安室さん!!片腕って!!何それかっこいい惚れるわじゃなくて!!


相変わらず脳天気な自分の頭にタックルしたくなる。
杖は取り上げられ、腕は固定され、心做しか安室さんとの距離が近くて心臓が痛い。
杖が取り上げられた事には対して心配はしていない。折られたらさすがにショックで寝込むけど、彼らなら大丈夫かなと思った。


「ねぇお姉さん、さっきの話の続きしない?」

「したいのね君は……」

「あなたのさっきの不思議な力といい身体能力といい……何者なんですか?」


二人の視線が痛いよ。冷たいし若干殺気入ってるし怖いし。
正直泣きそうです。

言えば楽なんだろうけれど、言ったって誰も信じやしないだろう。

私が魔女で、漫画の世界だった所に突然トリップして、現実世界になるなんて。

何て言えば良いのか分からず、顔を伏せる。
そうしていると、コナン君がなにやらスマホをいじり始めた。


おい待てまさか、警察呼ぶのかおい。


「安室さん」

「……何だいコナン君」


え、待ってまさか公安まで出すつもりかおい。やめてくれ私そこまで疑われてたの。


「なるほど……」


コナン君のスマホの画面を見て、ほぅと安室さんは一息つく。

私は一息つくどころじゃない。辛い。

せめて最後は赤井さんくらいは拝みたかったなぁと思いながら、心の中で手を合わせた。


と、


「すまない、今手を解くよ」



……?何の冗談だい……?



「へ……?」

「君は魔女なのか?」

「え、あ、はい、へ、はい!?」

「お姉さんもしかしてここの人?」


そう言ってコナン君が見せてくれたのは、ハリーポッターという題名の本だった。


……!?何故私の世界が……!?


それに、


「坊や!?」

「「坊や……?」」

「題名の子の事だよ!何故あの坊やが…あぁ、あの子は選ばれし者だし……そりゃあ主人公にもなるか……」

「お、お姉さん、ここの世界の人なんだね?!」

「そうね、私がここに来る前、ちょうど戦争が終わった後だったもの」


まさか自分の世界がこちら側では小説になっていただなんて。
お互いの世界が作品になっている。
なんという偶然か。


一人で勝手に自己完結していると、きょとんとした顔の二人が目に入った。かわいいなおい。


「お姉さんその戦争って…?」

「あら君、その作品は読んでいないの?」

「う、うん……」

「さながらトリップしてきてしまった……という事ですかね?」


安室さんが推理をしてくれている。
その姿さえもかっこいい。


「まぁそんな所ですかね。私の世界がどうだったとかは説明すると長いので、その本を読んでいただければ大体分かるかと、なので私から言う事はもうないです」


早く帰りたい。
早くベッドの中に、ベッド、ベッド。


「まだお姉さん、僕達の質問に答えてないよ」

「あなたは何者なんですか?」



「……、あなた達を知ってるのは違います……お二人に似てる人がいて、知り合いと勘違いしたっていうだけです……」


自分でも思う。苦しすぎるよ理由が。
冷や汗を垂らしながら、返答が来るのを待つ。


「まぁ……今はそういう事にしておきましょう……」

「お姉さん家まで送るよ、案内してもらっても良いかな?」


絶対納得してないだろこの二人。