二度ある事は三度ある


次の日、やっぱりあのおじいさんが来て荷物はまとめたかい?と聞いてきた。
笑顔が怖いよおじいさん。

私の荷物は幸いなのか何なのか、鞄と杖しか無かったのでそれを持って家へ出る。
傍から見たら出かけに行ったかのよう。

しかし違うんだな、追い出されたんだな!

泣きたくなるのを堪え、ローブを脱いで鞄の中に突っ込む。代わりに黒のカーディガンを取り出し着た。
何かこの格好だとコスプレだのなんだの言われるし、私の世界が作品って知ったからには服装には気をつけないとね!

杖はさすがに仕舞えなかったので、変わらず太ももにホルダーごと付けておく。


さてどこに行こう。

公園で野宿…?いやそれはさすがに……。

とりあえず、腹は減っては戦はできぬ!


という事でポアロに行きます。







「いらっしゃいませー!」


良かった……今日は梓ちゃんだけか……。

カウンター席に案内され、コーヒーとケーキを頼む。
あぁ梓ちゃん目の前にケーキ食べれるとか何のご褒美かな、美味しいよ梓ちゃん天使。


「ただいま戻りました」

「お帰りなさい安室さん」

「!!!???」


思わず口からケーキを吐き出しそうになった。危ねぇ。

何で安室さん!?何で今来るんだよ!?
ちくしょう!!楽園が!私の安全が!!保証されない!!


「おや#name2#さんじゃないですか。偶然ですね?」

「え、えへへ……ほんと……偶然ですね……」


"偶然"という単語を強調され、思わず頬が引きつる。
自然と揺さぶりをかけてくるから安室さん油断ならねぇ。


「で、では私はこの辺で……ごちそうさまでした!」

「あ、#name2#さん、良ければ送りましょうか?」


口説いてくるなちくしょうぅうう!!!
安室さん口説くの上手いね!?


「こんな小娘に時間を割いてちゃだめですよ安室さん!!あなたはイケメンなんですから!!私の事を気にかける理由が分かりません!!では!!!」

「あ……」


言いたいだけ言って飛び出てしまった。
これはもう完全に黒と思われてる。
何でだろう。厨二俺様蛇野郎に対してはあんなにも上手く取り込んで潜入できたのに。

好きな人(語弊がある)に対してはこんなにも動揺するものなのか。


「疲れた……」


ポアロを出てから走っていたから、疲れてしまった。

私はその場にへたりこんで、膝を抱えた。