沖矢氏という男


……沖矢さんが来るのを待っているけど、あれから全然来ない…。

怪我も軽いから自分で治しても良いかな……?

確か鞄の中に、ハナハッカ・エキスがあったはず……。

鞄の中に手を突っ込み、ハナハッカを探す。
だけど無い。拡大呪文を施してあるから、アクシオを使わない限りハナハッカを見つけ出す事は不可能に近い。


「うぅー……ハナハッカ……」

「何をしているんです?」

「うおああぁおおおお沖矢さん!?」


鞄に肩まで手を突っ込んでいる所を見られてしまった。
沖矢さんの目が微かに開眼している。これはやばい。


「肩まで手が入る鞄なんて初めて見ましたよ」

「こ、これはその、あの、」

「この杖と関係が?」

「はぃ……」

「いくつか質問したいのですが……その前に怪我を治してしまいましょうか」

「あ、それならば杖を貸していただければ治せます」

「いえ、僕が治しますよ」

「え」


沖矢さんに手当してもらえるんですか!?


「タイツの上から怪我をしてるんですね……」

「はい、ですからあの、」

「このタイツ、少し破かせてもらいますね」


おおおおおおおお沖矢さん!?!?
私の聞き間違いじゃなければ今タイツ破くって言ったよね!?
破くって言ったよね!?落ち着け沖矢さん!!!

私の怪我の部分は右足の内側の太もも。
そこを破くって相当、あの、精神的に辛い。


「あああああの沖矢さん、落ち着いてください、あの、」

「では失礼しますね」


ビリッ


あああああああ赤井さぁぁん!?!?


沖矢さんは私のタイツに手をかけると、容赦なく破いた。
うん、赤井さんの手の感触したよ。タイツの中に指入ってきたよ。やばいねもう色々辛い。何のプレイですか。


原作で見てた赤井さんと違う。
なにこれ怖い。


「少し痛みますが、すみません」

「だだだだだ大丈夫です、」

「顔が真っ赤ですよ」

「それはその、沖矢さんが、」

「ほう、僕の事も知っているんですか」

「っ……!」


恥ずかしさにつられて沖矢さんの名前を言ってしまった。


やっちまったー…………。