朝の平和もつかの間


赤井さん(沖矢さん)に下着を見られて羞恥心に死にそうな私です。
あの後何とも微妙な空気のまま、今はコーヒーを用意してまったり飲んでいます。


「……」

「……」


空気が微妙だよ!辛いよ!!
な、何か話題を…。
お互い先程の事もあって、話しかけづらい雰囲気。
これはどうしよう、辛い、辛いよ。

話題が無さすぎて挙動不審になりかけた途端、私の鞄がうねうねと動き出した。


「……?何でしょうか……」

「何か暴れていますね?」

「あれ……まさかドラゴンの卵孵っちゃったかな」


そう言えば前にハグリッドに貰ったな。あれあの後どうしようもなくて孵るまで鞄に入れとこうとか思ってそのままにしてたのかな。


「あなたそんな危ないもの入れてたんですか……?」


沖矢さんがすごい引いてる。私そんな危ない奴じゃないですよ?


「いやぁ……大丈夫だと思いますが……どれどれ」


私は鞄を開き、思い切り広げる。
すると中から暴れて出てきたのは、一羽の真っ黒な梟だった。


「あ……ゼロ!」

「ゼロ……?もしかしてあなたの梟ですか?」

「あ、本にも出てました?正解です!私の家族でお手紙とか運んでくれるゼロです!」


ゼロはくるりと部屋の中を一周すれば、私の肩に止まってきてくれた。あぁかわいい。
甘えるように耳を甘噛みされ、くすぐったくて頬でゼロを撫でる。
ゼロも目を細くして、擦り寄ってきてくれた。

しばらくゼロと戯れていると、カチリと沖矢さんと目が合った。
顎に手を添えて、こちらをまじまじと見ている。そんなに面白いものでしたかね?


「えーーー……触ります?」

「いえ……その梟は、今まで鞄の中に入ってたのですか?」

「そういう事になりますね。戦争が激しくなった時に、もしものためにも危ないからと鞄の中に入ってもらったのです。拡大呪文を施してあるので、割と快適なはずです」


ゼロは肩から離れ、私達の頭上をぐるぐると飛び始めた。


「魔法とは不思議なものですね……」

「まぁそんなもんです……、……あのゼロもこの家にいても……良いですか?お世話はこちらできちんとします!!」

「梟程度なら大丈夫ですよ」


沖矢さんの微笑み!いただきましたありがとうございます!!
心の中で合掌しながら、私は歓喜した。


工藤邸にもう一羽居候が増えました。