癒しの楽園とレセプション


「#name1##name2#と申します」

「毛利蘭です」

「鈴木園子でーす」


現在、園子ちゃんと蘭ちゃんとカフェなうです。なう。
あの後園子ちゃんと蘭ちゃんに光栄な事に興味を持たれまして。
ゼロは子ども達と遊びたいと言い公園に残った。

パンケーキと紅茶を楽しみながらガールズトークを開催しています。

久しぶりの女の子……二人共めっちゃ良い匂いする……パンケーキ美味しい……あぁ二人共かわいい……。

パンケーキをつつきながらデレデレする私。
それでも二人は引いたりせず友好的に接してくれて早速友達になりましょうとなった。
私の楽園が完成した。素晴らしい。


「そう言えば#name2#さん、パーティーに来ませんか?」

「パーティー……?」


目をキラキラとさせながら聞いてくる園子ちゃんかわいいなぁと思いながら、私は思考を巡らせた。
トリップ前での世界ではよく聞いた単語に、こちらの、しかも日本でもパーティーは頻繁にやるものなのかと思わず目を疑った。
そんなパリピだったっけ日本。


「ヴェスパニア王国の、サクラ女王が企画したサクラサクホテルでのレセプションがあるの!」

「私はお稽古で遅れちゃうんだけどね……」

「サクラサクホテル……レセプション……」


何だこれ、何だか聞いた事があるぞ。
すんごい嫌なや予感しかしないぞ。
待てこれあれだよな、テレビスペシャルだよな。もしかしなくても。
蘭ちゃんとミラさんが入れ替わるやつだよね!?
ルパンとか不二子ちゃんとか、次元さんとか五エ門さんとか出てくるやつだよね!?
ルパコナ!?ルパコナ!?

思わず冷や汗が垂れる。
ワイン事件からとんでもなくなるから、それが起きたらお客さんと一緒に逃げれば大丈夫……?
……レセプションに参加するだけなら…平気……だよね?


「じゃあせっかくだから行きたいなぁー!」

「ほんと!?じゃあ当日蘭達と来てね!!待ってるわ!」

「私は遅れるかもしれないけれど、よろしくね#name2#さん!」


わぁあああぁ至福だ……園子ちゃんのドレス姿が見れるんだね……!

期待のこもった目にそう返事をすれば、園子ちゃんはやったぁとガッツポーズをしていた。うん、元気な女の子は素敵です。
すっかり幸せモード全開になる。
やっぱり女の子は素晴らしいね、素敵。




その後他愛もない会話をして、カフェを出て子ども達がいる博士の家に行った。

子ども達はすっかりゼロがお気に召したようで、ゼロも子ども達に懐いていて甘えていた。
哀ちゃんとも少しだけ話してちょっとだけ仲良くなれた気がした。うん、気がした。
子ども達はまだ博士の家にいると言い、園子ちゃんと蘭ちゃんと一緒にゼロを回収して家を出る。
私の家は工藤邸だから、すぐ近くだ。
園子ちゃんと蘭ちゃんにお礼を言って当日の集合時間等を決めて、お別れをした。

レセプション、色々と不安だけど楽しみだな。うん。
軽く気分が高揚し、スキップしながら工藤邸の門を開けた。

と、


「う、うぇえ、うぁああん!」

「?!」


子どもの泣き声がして、勢い良く振り返る。
泣き声はそう遠くない。百メートルくらい先か。
曲がり角を曲がって少し行くと、コナン君と同じくらいの年齢の男の子が、膝から血を流して路上に座り込んでいた。


「どうしたの?大丈夫かい?」

「う、うぅう、うぇ」


こりゃ大丈夫じゃなさそうだな…いきなり転んで気が動転したのかな…。

まず泣き止ませなければと思い、私は太ももに巻き付けたホルスターから杖を取り出した。


「坊や、お姉さんの杖先をよーく見ててね?」

「……?」

「それっ」

「わぁああ……!」


呪文を唱えるとさすがに不味かったから、無言呪文で杖先からパチパチと花火を出した。クルクルと杖をまた振れば、今度は色とりどりの花や蝶が舞い、男の子の周りを一周して消える。

男の子の涙はいつの間にか止まり、自分の周りに舞う花火やキラキラとした粉や蝶や花を見つめていた。


「す、すごいお姉さん!魔法!?」

「お姉さんは魔女だからね、坊やのために魔法界から駆けつけたんだよ」

「ありがとうお姉さん!」

「いえいえ、さぁ坊や、膝を見せて?怪我を治そう」

「う、うん」


恐る恐る男の子が私に向けて膝を見せてくる。まぁ周りには救急箱も無いから何するのか不安っちゃ不安か。

私は杖をまた二、三度振り男の子の膝に向ける。杖先から乳白色の鱗粉が舞い、男の子の身を包む。
鱗粉の眩しさに男の子が目を瞑り、また再度目を開ければ、膝の怪我は跡形もなく消え去っていた。


「お姉さん……ありがとう!」

「坊やのために駆けつけたからね、これくらい当たり前だよ。でもね坊や、一つだけ守って欲しい事がある」

「う、うん!」


大きい目をクリクリとさせ、私を見上げてくる男の子がかわいくて叫びそうになるのを堪える。
魔法を思わず使ってしまった。相手が子どもだからまぁ大丈夫であろうが一応保険として言っておこう。


「私と会った時の事は誰にも言っちゃあいけないよ?魔法の事もね?」

「うん!僕とお姉さんだけの約束!」

「うん、約束」


男の子とはベタだけど指切りをした。

どうやら男の子は友達の家に遊びに行こうとした所を転んでしまったらしい。迷子じゃなくて良かった。
それから別れて、改めて工藤邸の門を開ける。


その様子を見ていた者が一人、いることも知らずに。