パーティーと赤と青とワインと


そう言えば……。


確かここには不二子さんもいたはず。
私とは対照的な真っ青なドレスで、サングラスかけてて……。


「っ……!」

「……どうしました?#name2#さん」


飲み物を手に戻ってきた沖矢さん。
いきなり現れるから怖いよちくしょう。


「い、いや何でもないです!あ、沖矢さんあそこに美味しそうなケーキが!て事で取ってきますね!」

「、え、あ、#name2#さん」


ごめんね沖矢さん!今あなたに気づかれる訳にはいかないんだ!!

沖矢さんから慌てて離れ、近くにあったテーブルに並べられたケーキを二つ取る。
美味しそうなチョコレートケーキにチーズケーキ。
その後に不自然にならない程度に不二子さんはいないかと周りを見渡してみた。

割と目立ってたドレスなのになぁ……見つからないか……。

と、


「もしかして、私を探してる?」

「っ……!」


私のすぐ真後ろで、色っぽいあの声。

……峰不二子……。


「ど、どなたでしょうか……人違いでは?」

「あらぁそんな寂しい事言わないで?私はあなたの正体を知ってるわ。心配しないでちょうだい?」


誤魔化したと思ってたのに。
いや心配するわ。すごいするわ。何それバレてたの嘘だろ。


「え……」

「あなたが男の子に魔法使ってたの、見ちゃったのよ」


そこ見られてたんかーい。

サングラス越しにパチリとウインクをされ、大人の色気にクラクラする。
やっぱり不二子さんはやばい……大人の色気ェ……。


「そ、それを見られたのならば仕方ないです……でも何故今私を……」


魔法を見られたのはもうこの際良い。いや良くないけど。
ただ何故私をこんな、自分の正体がバレかねないこの場所で話しかけるのか。


「あなたに興味が湧いたのよ、私と手組まない?」

「ファ」


ケーキのシルバー落としかけたわ。不二子さん一体何考えてるんじゃい。


「手を組む……?」

「えぇ、その魔法の力、私に貸して頂戴?」


悪いようにはしないわ、と言い残し、不二子さんは人の喧騒の中に消えた。

……不二子さん本当何考えてるの……。


「#name2#さんおかえりなさい」

「た、ただいまです……」

「随分時間掛かってましたね?何かありました?」

「い、いえ……お構いなく……」


優しいのに何か企んでる笑みだよ沖矢さん……。
思わず後ずさっちゃったよ、また笑顔黒くなったよ怖い。


するとパッ、と部屋の電気が消され、私と沖矢さんの後ずさり迫り合いが強制的に終了される。
いきなり目の前が真っ暗になりどうしたら良いかあたふたしていると、腰に沖矢さんの手が回ってきた。

ななななななななんですか紳士ですか沖矢さんたら!!!!!

あからさま私がわたわたしていると、クスリと悪戯っぽく沖矢さんは笑う。


「この方が、暗くても安心でしょう?」


確信犯コノヤロウ。



『皆様、大変長らくお待たせ致しました。どうぞ、盛大な拍手でお迎え下さい。ヴェスパニア王国、ミラ王女です』


スポットライトが灯り、司会が大きな動作でステージを煽ぐ。

英訳の放送が流れた後、幕にスポットライトが当てられ、幕が開き、ミラ王女とキースが入ってきた。