追う者と追われる者


安室 side


「──で、今彼女はどこです」

「そうですね、今は普通に路上を走行中です。バイクか車での移動でしょうね。」

「そうですか……あ、電話は切らないでくださいね。そうしないと#name2#さんの居場所が分からない」

「大丈夫ですよ、その点は安心してください」


お互いの探り合いは一旦止め、今は彼女の事に集中する。
かつて犬猿の、殺したいほど憎い相手を差し置いて、一人の女に固執するなど。

自分の有り得ないこの状況に自嘲の笑みが浮かぶ。
そんな自分と裏腹に、心の中は渇望するかのように彼女を求める。

今すぐあの手を握りしめ、小さな身体を自分の中にしまい込んで。


『あなたは私の光です……頑張ってる姿……素敵な、方です……好き……いち……ばん……す……』


あの日の夜言われた、突然の告白とも取れる言葉。

しかし彼女からはそんな下心など感じず。
むしろ神聖なものを見るような目をしていた。


俺は光なのか。たくさんのものを失くして、自ら闇になりその手を真っ赤に染めた醜い自分が。
あんな目を向けられるほど、俺はできた人間じゃあない。
それなのに、何故彼女はあんなにも愛おしく美しく慈愛に満ちた目で自分を見てくるのか。

その事を知りたい。そしてあわよくば彼女を……。


「─さん、安室さん?」

「っ……!沖矢さん……?」

「どうしましたか?体調でも悪いですか?」

「─大丈夫です。ありがとうございます」


ハッとなり我に返れば、丁度信号が変わる一歩手前だった。
ハンドルを握る手に力がこもる。

漏れ出そうな欲望を抑えながら、俺はアクセルを踏み彼女の元へと急いだ。









やっほーまだまだハーレー乗り回しなうだよ。


蘭ちゃん扮したミラ王女を探すため、トイレから出たミラ王女を追ってきたのは良いものの、少し見失いかけてます。
とりあえず今は路上を走行しつつ、ミラ王女ぽい人がいたら教えてね。とハートマーク付きで言われました。はい不二子さんに。

と、ユルユルと走らせていると……。


「あ」

「いた?」

「あそこの歩道。人がいっぱいいるけれど」

「本当だわぁ。じゃあ先回りね、掴まって」

「うわぁ!?」


不二子さんいきなり走らせるからびっくりするんだよなぁ!


バイクを走らせた瞬間、チラリと道路を見たら見覚えのある赤と白の車が二台いた気がするけど、きっと気のせいだと思う事にしておいた。

後々それが気のせいじゃない事に、この時私は気づかなかった。