女王と姫の救出劇


「ハァ……ハァ……うわぁあ!?」

「おっ」


コナン君に追いかけられていたミラ王女を拾うため、不二子さんは裏路地を回って逃げてきたミラ王女の前に躍り出た。

驚くミラ王女の顔を見れば、やっぱりそっくり。
コナン君でさえ見間違えるほどだから、どれくらい似てるのかなと思ったけれど、アニメ越しと実際に見るのとじゃやっぱり違うなぁ……生のミラ王女本当蘭ちゃんにそっくり……。


「乗って。考えない。私はあなたの正体を知ってる。敵なら今撥ねてる」


言葉を単語のままぶつ切りにして、緊迫した状態でも聞き取りやすく話す不二子さん。
この人は警戒心を解くのが本当にうまい。
感心しつつも、私は忘れずに手に持っていたヘルメットをミラ王女に向かって投げる。

そして


「信じて?」


本当は不二子さんが言うであろうセリフを、私が言った。
不二子さんは少し目を見開いたまま私を見ていたけれど、この際気にしない。

私達の真剣な目に応えてくれたのか、ミラ王女はお話の通り警戒心はまだ残りつつも、ヘルメットを被り不二子さんの後ろに跨ってくれた。
私?私はミラ王女の後ろに座ってます。ちょうどあのいずれ銃乱射した時にシールドを張るであろう、あの箱のすぐ前です。
さすがにミラ王女の腰は掴めないため、私はその箱に手をかける。

この箱コナン君に追われた時に外されるんだけど、その時私どこ持てば良いんだろ……。


不安になりつつも、これから向かい来る的に備えて私は懐から杖を取り出した。









『十九時五十三分、捜査対象確保。これより、警備を通常に戻し─』

「オッケイ。さ、でかけましょ」


一旦はコナン君を撒いた私達は衣川パーキングにバイクを止め、ミラ王女扮する蘭ちゃんが無事確保された事を確認した。
ピッと小気味よい音を立てて不二子さんは通信を遮断する。


「あなた達……ほんとに誰……?」


ジト目で睨んでくるミラ王女。
そりゃあまぁ怪しむわな。ごめんなさい。


「えへへ……」

「だぁからぁー、脚長お姉さんって言ってるじゃない」

「馬鹿にしてる!?」


エンジンをふかしミラ王女を後ろに乗せた不二子さん。
私もちょうど良い位置を見つけ、ミラ王女の後ろに乗り込んだ。


「夢のないお姫様ね。置いてっても良いのよ?」

「っ……!」


バイクに乗せたのに、今更降ろすとは何のつもりだと言わんばかりにミラ王女は不二子さんを睨む。
私は少しのいたずら心が湧き、ミラ王女の後ろからひょこりと顔を覗かせ、


「それともホテルに帰りますか?」

「朝まで私達と遊んだ方が、楽しくなぁい?」


そう言えばミラ王女は目を見開き、私の言葉の後にタイミング良く不二子さんは言葉を重ねてくれた。

んふっ、とウインク付きでミラ王女を更に誘う。
それから少し顔を俯かせ、ミラ王女は小さく分かったわよ…と言ってくれた。

やったぁ……!ミラ王女かわいいいいい……!!!!

心の中でガッツポーズを作りながら、私達は道路へと出る。


あぁ、そろそろ色々出てくる頃かな?

心臓の準備を。