向井とお泊まり

深澤「なんか今日奏多荷物多くない?」

そう言われて自分のリュックに視線を移す。まあ確かにいつも少しでも荷物を減らしてバッグも小さくしてる私が大きめのリュックなんて持ってたらちょっと違和感あるよね。まあでもそれにもちゃんと理由があるから。

「え? あーうん。今日向井んちで泊まるから」
岩本「は? なんで?」
「なんでって、誘われたから」
向井「奏多くんいつまで経っても俺のこと康二って呼んでくれへんのやもん。だからお泊まり会して仲良うなんの!」
「ってことです。あと明日の現場、向井んちからのが近いみたいだからいっかーって」
深澤「なんかあったらすぐ電話しなさい!」
「いや何もないでしょ」
向井「そーやよ! 俺、ただ純粋に奏多くんと仲良うなりたいだけやもん!」

ふっかとラウールが心配してたけど、まあさすがに向井もメンバーには手を出さないでしょと適当に流し、撮影終了後、俺は向井と一緒に帰路へと着いた。


***


向井の家に着くと早速彼は「俺んちでのルール、その1! 俺のことは康二って呼ぶこと!」と宣言した。まあそれは別にいいんだけど。

向井「奏多くん、お風呂一緒に入る?」
「え、やだ。1人で入る」

しょげる康二をバスルームに押し込み、入れ違いで私もお風呂を借りる。あ、康二のシャンプーめっちゃいい匂いする。あと康二が貸してくれたスウェットは普通に大きくて裾が余った。

向井「明日何時からやっけ」
「8時。康二は?」
向井「俺もそんくらい。……てか、奏多くんなぁ」
「何?」
向井「めっちゃナチュラルに康二呼びできるやん! なんでいつも呼んでくれんの!?」
「うーん。別に深い意味はないけど、ただタイミングを逃したなあって感じはしてた」
向井「タイミングとかいつでもええから! これからはちゃんと康二って呼んでな?」
「はーい」

緩く返事をすると「適当やないかい」と康二は笑った。

向井「ほな、そろそろ寝よか。……てか奏多くん一緒に寝てくれんの? ベッドおいでよ」
「え、俺シナモンと寝る」
向井「え、何何?」

リュックからぽんと出てきたのはシナモロールのぬいぐるみ。もうずっとこの子と寝てるからいないと落ち着かないんだよね。うちの寝室にいるの連れてきちゃった。

向井「え、まじでシナモンと寝とんの?」
「そうだよ?」
向井「やばあ。でもそれでもええから一緒に寝よ! な?」

そこまで言われたら拒むわけにもいかなくて、渋々康二のベッドに入った。真ん中にはもちろんシナモンを置いて。

「手ぇ繋いであげよっか」
向井「ほんまに!? 繋ぐ」
「本当に康二は甘えん坊……だね……」

ベッドに入るとすぐに睡魔が訪れる。私の右手と康二の左手が重なってシナモンに腕枕してるみたいになったまま、私たちは眠りについた。


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