岩本「あ」
「あ」
もう会うこともないだろうと思っていた彼女と再会したのはとあるアクセサリーショップでのことだった。そこは佐久間のオススメの店で、彼女はその店の店員さんだった。
佐久間「んぇ? 知り合い?」
「あ、えっと先日助けていただいて……」
佐久間「え、照やば。すご」
岩本「てか佐久間こそ、仲良いの?」
佐久間「んまぁねぇ、んふふ」
「普通、ですよね?」
佐久間「んはははっ! ちょ! ひど!」
そのくらいの冗談が言える程度には仲がいい。そう見せつけられているような気がして内心むっとした。……付き合ってもないのに嫉妬するって、なんだそれ。
「あ、そうだ。佐久間さん好きそうなの入ってますよ」
佐久間「うわ! 見る見る!」
「持ってきますね」
そう言って裏に引っ込んで行った彼女を見送る。
佐久間「名前ちゃんのおすすめってまじで良いの!」
岩本「へえ……」
佐久間「そういえば、なんか助けたって言ってたけど何あったの?」
岩本「あー、ちょっと」
佐久間「絡まれてたとこ助けたとか?」
岩本「そんな感じ」
佐久間「すげー! 少女漫画のヒーローじゃん!」
嬉々として話す佐久間。どこでもテンション高いのは良いことだけど、更にテンションが高くて笑ってしまう。
岩本「違うけど。まあ、北斗の妹だってのは知らなかったなぁ」
佐久間「え、誰が?」
岩本「さっきの。名前さん」
佐久間「え、そうなの!?」
岩本「え?」
「お待たせしてます……!」
丁度よく裏から戻ってきた彼女は、佐久間の格好の餌食となってしまう。
佐久間「名前ちゃん、北斗の妹なの!?」
「え? あ、はい。そうですね」
佐久間「聞いてないんだけど!?」
「言ってませんでしたね、そういえば」
岩本「知らなかったんだ」
けらけらと笑えば「まじ衝撃の事実だわ!」と佐久間も笑った。その後、3人で話していて分かったのは彼女が北斗の1個下であることと、この店のアクセサリーが大好きだってこと。
その日の晩、彼女にLINEを送る。『またお店行ってもいい?』って。今日は佐久間の物ばっかり見てたから、今度静かな時に1人で行こうかなって。『ぜひ! お待ちしております!』と明るい返事が返ってきて思わず笑みがこぼれた。次の休みいつだっけ。スケジュールを確認して眠りについた。