嫉妬神経衰弱してみた!


「こんちゃ〜! しょぴ愛称チャンネルの愛称で〜す!」
「しょっぴーでーす」
「今日はね、巷で有名なあのゲームをやります」
「なんだよ」
「知りたい? しょっぴー知りたい?」
「いや別に」
「じゃあやめま……せん! やりますよ! 今回やるのはこちら! ででどん! 嫉妬神経衰弱〜! わ〜!」
「お前テンション高すぎない?」

そう! 今日の私はテンションが高い! なぜならこのゲームで嫉妬したしょっぴーが見れると思ってるから! ウキウキとドキドキが止まらなくて昨日もなかなか寝れなかったの。遠足前の子供みたい。
ルールを説明してこくこく頷くしょっぴーに「分かった?」と再確認する。じゃないとしょっぴーわかってない時あるから。

「余裕だし」

にやりと笑って神経衰弱のカードを書き始めるしょっぴー。私も動画で使える範囲でパンチのあるものを書いていく。

「書けましたね?」
「まあ」
「こっちが私ので、こっちがしょっぴーの書いたやつね」

ジャンケンで順番を決める。しょっぴーが勝ったからしょっぴーから。

「じゃあこれ。……は!?」
「何? 読みあげて」
「"初恋の人は学校の先生。デートもした"」
「おぉ〜」
「え、いつの話?」
「中学の話! 学校の先生ってか実習生なんだけど、大学生の」
「はぁ!?」
「3回くらいデートしたけど、告白したのに普通に断られたんだよね」
「ふーん」

あ、なんかにやにやしてる。どういう顔なんだろそれ。

「次の引いて!」
「んじゃこれ。あー……。"初体験は19歳の時、高身長イケメンと彼の家でハート"」
「律儀にハートまで読むの」

くすくす笑いながら横の彼を見れば、わかりやすくむすーっとしててまた笑ってしまった。

「早く次、引けよ」
「はーい。えっとー……、えっ。"初体験は16の時、先輩と体育倉庫でやった(Eカップ)"」
「あー」
「体育倉庫!? え、体育倉庫でするの!?」
「した」
「Eカップ、Eカップ……」

私そんなに胸ないや……。胸を見下ろす私を見て「ぐははっ」と笑うしょっぴー。まあまあなボディーブロー受けた気分。

「次がこれー。"初体験〜"、あ! ペア揃った」
「おー」
「じゃあ次、"海行った時にナンパされてLINE交換した"」

Eカップをビリビリに破って次の紙を捲る。ねえ、これも知らないんだけど。何? ナンパ?

「いつ?」
「あー……今年」
「今年!? 私いなかった!?」
「愛称がなんだっけ、かき氷食べたい〜って海の家かどっか行った時。俺留守番してたじゃん?」
「してた!」
「そんとき」
「はあ!?」

……たしかに、しょっぴーモテるからなぁ。

「ちなみにそれ、連絡きた?」
「……あー」

この反応まさか……。

「きてた」
「きてたの!?」
「ご飯行きませんかーって」
「え、それどうしたの?」
「普通にだるくて断った」
「……えらいじゃん」

ちょっとしょっぴーに甘いかな。てか絶対好きな感じだったんだろうなぁ。可愛かったんだろうなぁ。じわじわと胸にもやがかかってきて、むすっとしてしまう。
その後もハイテンポでお互いにペアを集めていった。お互い意外とジャブ的なものが多くて、ぎゃーぎゃー騒ぐもののそんなにって感じだった。

「最後。 "元彼の好きな音楽今でもたまに聴く"。はい、ペア完成。さよなら」

ビリビリと破ってゲームは終了。

「ちょっとは嫉妬した?」
「別に?」

むすっとした顔をすると、しょっぴーは嬉しそうに笑って「ばーか」ってキスされた。まわってるの分かっててやってんのかな。もう、そういうとこずるいよね。

「以上、しょぴ愛称でした。バイバイ!」

そう言ってしょっぴーが勝手にカメラを止める。戻ってきた彼は、私を押し倒して「……お前、けっこうなこと書いてたな?」と呟いた。

「……しょっぴーだって、すごかったじゃん」
「当たり前だろ、俺遊んでたもん」
「やだ、そういうの聞きたくない」
「聞かなくても知ってんじゃん。今は名前だけ」

噛み付くようなキスは嫉妬の表れなのか、それとも独占欲の表れなのか。応えるように彼の首に手をまわして受け入れた。