いつからこんなに甘かったっけ

「また会いましたね」
渡辺「おー」

二度目に彼女に会ったのは、たまたま仕事前に無印良品へ行った時だった。無印似合わねえな、この人。相変わらず強そうな女子を演出していて、どちらかというとハイブランドの店の方が馴染みそうだった。

「お元気そうでなによりです」

そう言って彼女は去っていった。避けられた? いや、外だから気遣ったとかそんな感じか。
ただ、もう少し一緒にいたかったなんて気持ちが小さく沸いて、それを隠すように彼女と反対方向へと歩き出した。


田中「あれ、しょっぴーじゃん」
渡辺「うわ、今度はお前かよ」
田中「何? さっき誰かに会った?」
渡辺「いや。別に」
田中「慎太郎? ジェシー?」
渡辺「ちげーよ」

なんでこんなタイミングで会うかな。偶然にしても過ぎるっていうか、ちょっとだけパニック。深くため息をつくと「あ、名前?」って当てられてしまった。

田中「てかさ、こないだ名前と連絡先交換とかしてないよね」
渡辺「してない」
田中「まじで? ほんとにほんとに?」
渡辺「ほんとだって」

一瞬どきりとした。でも連絡先交換してないのは事実だからはっきりそう伝えた。

田中「名前が教えてって言っても絶対教えないでよ!?」
渡辺「はいはい」
田中「まじだかんね!?」

めっちゃシスコンだなこいつ。いやでもたしかに、自分の妹がジャニーズと繋がんのってなんかやだわ。俺も妹いるからなんとなく分かる気がする。