翌朝、同じベッドでふたりして寝てて、やったなと思った。あのダボダボのTシャツもベッドの下に放られていて、俺も名前も素っ裸で。……よりにもよって樹の妹に手出すとかって思ったけど、居心地の良さも、俺自身の友情では片付けられない気持ちも、全部引っ括めて、シーツごと彼女を抱きしめた。
「ん……、んー……?」
渡辺「起きた?」
「……しょ、たくん?」
渡辺「ん」
「……え!? あ、えっ、えっ!?」
目が覚めた彼女は、辺りを見渡して、全てを察して、ぶわっと顔を赤らめた。「見ないで」と俺の顔に枕を押し付けてくる辺り、ちょっと可愛いなって思って笑えた。
「何笑ってんの」
渡辺「うるせ」
「……ねえ」
渡辺「何?」
「……ううん。なんでもない」
着替えて、いつもよりちょっと薄めの化粧して、足早に部屋を出ていく名前を呼び止めることも出来ないまま、視線だけで見送った。
微かな彼女の残り香だけが部屋に残って、その匂いがひどく切なく感じた。