僕は弱虫ヒーロー

それから、週刊誌も予定通りに発売され、名前とも連絡が取れないまま数日が過ぎた。
Snow Manの仕事にまだ支障は出ていないものの、SNSでは俺やSnow Manのファンが荒れていた。まあ、荒れるよね。

『今日そっち行くから』

そう言って名前のマンションへ向かう。ピンポンを鳴らすと、不機嫌顔の名前が顔を出して、すぐに俺を招き入れてくれた。まあ、歓迎はされてないみたいだけど。

「……何か言いたいことあるんでしょ?」
深澤「あ、うん。……あの記事、殆ど嘘だから。今付き合ってんのは名前だけ」
「……それは、いいよ。分かってる、つもり」
深澤「……こんなことなってごめん」
「そんなこと、聞きたいんじゃない」
深澤「別れるつもりなんてないよ」

名前と別れるなんて、これっぽっちも考えてない。

「そうじゃない」
深澤「じゃあ何?」
「……キス、してた」
深澤「えっ?」
「あの日、見た。週刊誌の、女の人と、キスしてたの」
深澤「あれは向こうが勝手に」
「……でも、嫌だった。ごめん。帰って」
深澤「え」
「暫く会えないから」

ぐいと押されて追い返される。言葉にはならない不安が頭を過ぎって、彼女を見つめれば「……ごめん」と泣きそうな顔で呟かれた。