この距離が心地よすぎて

それからは、朝も夜も、学校で会う日も会えない日もほとんど毎日名前ちゃんとLINEをするようになった。その内容はなんてことない会話がほとんどで「おはよう」から始まって、宿題のこととか、勉強のことを聞いたりすることもあれば、テレビの話をしたりすることもある。ただの学生っぽいノリでずっとLINEが続く。まあ、ただの学生なんだけどね。

『今ね、ラウールくんが出てる番組見てるよ』
『え!? 何見てんの?』
『あざとくて何が悪いの』
『えー!』
『ラウールくん可愛い!』
『ありがと?』

本当はかっこいいって言ってほしいんだけどな。可愛いのは名前ちゃんの方だから。
でも、名前ちゃんが俺の出てる番組見てくれてるのは嬉しいかも。自惚れが加速しそうで怖い。たまたまだよね、って思うことにした。なんでも期待しすぎは良くないからね。てか浮き足立ってるの自分だけだったら恥ずかしいじゃん?

『テレビでもラウールくん見れるから寂しくないね』

そんなストレートな言葉に驚いてしまう。ねえ、それってどういう意味? そんなこと、怖くて聞けなくて『そう?』なんて流しちゃった。ああ、ほんと意気地無し。

『でも会えたらすっごい嬉しい』

欲しい言葉をひとつまたひとつとくれる彼女にきゅんきゅんして、上手く返せないことにもどかしさを感じた。

『俺も!』

これが今の自分の精一杯。恋愛初心者にはこれが限界です。うぶうぶだからね。