2023.09



タクシーを降りてマンションへと帰る。鍵を開けると、リビングのドアが開く音が聞こえた。駆け寄るようにして玄関まで来たひかるは「待ってた」って心底嬉しそうな顔して笑っていた。

「ただいま〜」
「おかえり」
「お風呂は?」
「まだ。一緒に入ろ」

お水を飲んでひと息ついたかと思えば、あれよあれよと言う間にひかるに脱がされてお風呂へと入れられる。後ろから抱きしめられて肌と肌が触れ合うとなんだかくすぐったいくらいひかるを感じてしまって顔がほころんだ。

「何笑ってんの」
「今日のひかる可愛いなーって思って」
「なにそれ」
「お店で会えたの、嬉しかったよ」
「俺も。……俺より先にふっかが優陽と会ってたのは不服だけど」
「トイレ前で鉢合わせただけだけどね」
「それでも。俺が先に会いたかった」
「ふふ、なにそれ〜」

体ごと振り返って向かい合う。むすっと膨れているひかるの頬に触れながら「可愛い」と呟けば「優陽の方が可愛い」って返された。

「好き」
「大好き」
「次は一番に見つけて」
「ん、見つける」

そんな酔っ払いの戯言を真にするためのキスを繰り返して笑いあった。はたから見たらバカップルと言われかねないけれど、ふたりきりだから気にするものもない。火照った身体を重ね合わせて、店で彼が宣言した通り離れることなく、ぴったりとくっついたまま私たちは眠りについた。