浴衣撮影A
スタッフ「じゃあ次、カップルショットいきます!」
カメラマン「東雲さん大変だけどよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
まずは照くんと。ここはもう気持ち的には安定かな。表紙やったしね。手を繋いで横に並ぶ。照くん大きいなあ……。って、今更なことを思ってたら「どーした?」ってくしゃくしゃの笑顔で見つめられた。
「今日もかっこいいね」
岩本「え、何?」
不意に思ってたことが口からこぼれて、ちょっとだけ恥ずかしかった。柔らかい笑顔で私の頬を撫でながら照くんが言葉を紡ぐ。
岩本「奏依も可愛いよ」
ひょいと私を抱きかかえて笑う照くん。あんまりにも軽々持ち上げられてびっくりした。
「重くない?」
岩本「軽すぎ。ご飯食べてる?」
「食べてるよ」
照くんが終始笑顔だからつられてくしゃと笑えばカメラマンさんから「最高すぎます」とお褒めの言葉をいただいた。
スタッフ「次は宮舘さんお願いします」
岩本「次、舘さんだって」
宮舘「よろしく、お姫様」
「よろしく、国王様」
お互いに見つめ合って笑ったらそこをパシャリと写真に収められた。
縁側に座る舘様の隣で軽く足を崩しそっと体を寄せる。小指同士を絡めて、見つめ合うとなんだか照れくさくて、くすくす笑ってしまう。一通り笑ってから、静かに視線を下げて微笑む。表情筋引き攣りそう。
カメラマン「はい、OKです! いいですね、お2人とも和装が似合う!」
スタッフ「渡辺さんお願いしまーす」
うわ。次、翔太くんかあ。つい顔が歪む。
渡辺「あからさまに嫌な顔すんな」
「あはは、バレた?」
渡辺「お前分かりやすすぎ。隠す気なかったろ?」
「んー、なかった」
そう返せば翔太くんも分かりやすく嫌な顔をしていて、思わず笑ってしまった。たぶんお互いやりづらいなあって思ってるんだと思う。別にギクシャクしてるわけじゃないけど、なんか友達ならまだしも、カップルってなるとちょっと違う気がして、ねえ?
渡辺「焼けんぞ」
「ありがと」
渡辺「ん」
翔太くんは近くにあった番傘っぽい日傘をさして日陰を作ってくれた。こういうの凄く気にしてくれるのはさすがとしか言いようがない。……私が気にしてなさすぎるだけかな。
渡辺「日焼け止めちゃんと塗った?」
「塗った!」
渡辺「ならよし」
「ほんと美容のことになると翔太くんには頭が上がりません」
渡辺「美容以外のことでも敬え」
けらけら笑いながらそんなことを言う翔太くんに生返事を返す。
カメラマン「渡辺さん、東雲さんのこと優しく微笑む感じでお願いします」
渡辺「はい」
「……っ、ふ、あはははッ! ごめ、ごめんなさいっ、むり」
渡辺「お前、まじで失礼だな」
言われた通り忠実に再現してるのに、相手が翔太くんだからつい笑ってしまう。絶対作ってるってのが分かるから。何回か深呼吸して「すみません、もう一度お願いします……!」とカメラマンさんに声を掛ける。
カメラマン「はい、 OKです! 笑い出した時はどうなるかと思ったけど」
「ありがとうございました。ご迷惑をおかけしてしまってすみません……!」
カメラマン「迷惑だなんて、全然」
カメラマンさんと他愛もない話をして、少しの休憩。
9人分あるからね。撮るのも撮られるのも大変だ……。