ハッピーハロウィン
ヴァン様スタッフさんに声をかけてもらい、急遽開催されたハロウィンパーティー。ヴァン様の打ち上げも兼ねてるんだって。仕事終わりに駆けつける形で会場へ向かえば見知ったスタッフさんたちが笑顔で迎えてくれた。
スタッフ「奏依ちゃん、お願いがあるんだけど……!」
メイクさんをはじめとした何人かの女性スタッフさんに囲まれてどこかへ連れていかれる。聞けばハロウィンだからコスプレをしてほしいというかわいいお願いで。うんという前から私の衣装は用意されていた。
それに、よく見たらスタッフさんたちもそれぞれコスプレ衣装に身を包んでいた。
「これに着替えたらいいんですか?」
「「「お願いします!!」」」
言われるがまま着替えてみる。あ、これキョンシーだ。衣装見てすぐ分かっちゃった。雑誌でも着たことないからちょっと嬉しいかも。初めて着る服ってワクワクする。
「着ました〜」
スタッフ「髪! やります! 座ってください!」
スタッフ「その間に私メイクやります! 南さん風にしてもいいですか?」
「お願いします」
みるみる作り上げられていく自分を見て「わっ」と声がもれる。これ、きたじ先生のTwitterで見たかも。ハロウィン仕様でキョンシーコスの南。対になるのは……と思い出して、でもまさかと思った。スタッフさんたちに連れられて戻ると、会場にいた別のスタッフさんたちから「おぉ……!」と歓声が洩れた。
そして、輪の中心にいる彼に目がいった。
「北都さん……!」
坂口「えっ、わ、奏依ちゃん」
「あ、あ……! 坂口さん……!」
つい、役名で呼んじゃった。坂口さんは思っていた通りヴァンパイアの衣装に身を包んでいて、それがもうきたじ先生のイラストから飛び出してきたみたいで本当にかっこよくて言葉を失った。
「強すぎ……」
坂口「ふはっ、出た。顔面が強い」
「2次元から北都さんが飛び出してきたぁ……!」
坂口「それを言うなら奏依ちゃんも。尊いってやつだね」
スタッフ「すみません、2人でこのポーズで写真撮ってもいいですか?」
そう言われ、見せられた画像はやっぱり先生があげてた南と北都さんのハロウィンのイラストで。ぽんぽんと膝を叩いて「どうぞ?」と言う坂口さんの上に恐る恐る腰を下ろす。
「心臓飛び出そうです」
坂口「僕はこの現場を何かで知ったSnow Manの皆さんが怖いです」
「あ、敬語」
坂口「久しぶりに会ったから」
「なんですかそれ」
顔を見合わせて笑いあって、そんな様子を写真に収められる。あれ、今日って撮影か何かだっけ。そんなことを考えていると、にやにやと笑う間宮さん佐野さんと目が合って、後から散々冷やかされた。
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しの担!!! ヴァン様ドラマのインスタ見て!!!!
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しののキョンシーコス……😭🙏🏻ありがてぇ……😭🙏🏻ハロウィンとかいう概念ない月末絶望社会人オタクの身に沁みた……最高……てか坂口健太郎さんとの距離感バグで死ぬ……😭😭😭😭
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ア゜ッ
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これはうちの岩本さん黙ってませんよ????
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岩本さんだけじゃないでしょこれは
△△△ @xxxxx
奏依ちゃんにこの衣装着せた人誰? ちょっと呼んできて? ソロショット欲しいんだけど持ってたりしないかな??
坂口健太郎 @xxxxx
🎃🦇🕸
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▽▽▽ @xxxxx
坂口くんがヴァン様インスタツイートしてる😇
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ヴァン様チーム久しぶりの集合です🎃🙌🏻💫
ハロウィンということもありドレスコードは……💭
きたじまどか先生が描かれていた北都と南を坂口さんと東雲さんに再現してもらいました💗
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きたじまどか @xxxxx
ン〜〜〜〜〜最強!!!!!
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佐久間「しの〜? 俺これ聞いてないんだけど!?」
バーンと効果音がつきそうな勢いでさっくんが見せてきたのはこの間のヴァン様のハロウィンパーティーの写真だった。ああ、これインスタに上がってたんだ。
「あー……言って、ない」
深澤「何見てんの? ……うわ、奏依えっろ」
向井「何?」
その場にいたメンバー全員にインスタの写真が広まり、嫉妬にも似た怒りを露わにする人がひとり、またひとりと増えていく。……まあ、一番ヤバイのは照くんなんだけど。
岩本「これ、奏依が選んだの?」
「ううん。スタッフさんが用意したもの。きたじ先生が描いたイラストの再現なんだ」
そう言って画像を見せると照くんは押し黙って画像とにらめっこし始めた。まあ衣装としては際どい部類に入るのかもしれない。照くんの審査は特に厳しいし。
にやにやするふっかと、照れくさそうなラウは置いといて、今気になるのはやっぱり目の前の照くん。
佐久間「再現度高すぎてやっばいんだけどさぁ〜」
岩本「近すぎない?」
「元のイラストが近いんで」
そう言い返せば照くんはいつもの調子で、むぅと唇を突き出して黙り込んだ。拗ね拗ねくんだ。……さっくんが照くんをよしよししてくれてるからいいや。放っとこう。
深澤「奏依ー、クリスマスはサンタ着てくれるよね?」
「え? なんで?」
深澤「え? 俺が見たいから?」
「うぇー……やだー」
深澤「じゃあ今から遅めのハロウィンする?」
くしゃと笑うふっかの顔は策士そのもの。小声で「そしたら照も機嫌治るだろうし」って呟くのを聞いて、たしかにと思う半面、照くんの好みのコスプレをする羽目になるのか、下手したら9人それぞれが私用のコスプレ衣装を用意しかねないと思ってうぅんと唸る。
「……じゃあ、クリスマスで」
佐久間「え! しの、クリスマスにサンタコスすんの!? ライブん時?」
深澤「ううん。プライベートで」
「「プライベート!?」」
さっくんと声が被る。いや、ふっか何言ってんの。仕事でとかじゃないの? ツアーの時に着るんだと思ってたのにどうやら違うらしい。照くんみたいに唇を突き出して拗ねれば「何?」と笑われた。
深澤「衣装とホテルは俺用意しとくから」
ラウール「深澤くんやらしいこと考えてるー!」
佐久間「深澤やばー!」
深澤「え? あー、奏依とふたりっきりでパーティーするか!」
「それはちょっと……」
深澤「おい!」
離れたところにいた照くんに近づき「いい?」とお伺いをたてる。照くんはこくりと頷いて「ケーキはチョコね」と呟いた。
「好きなの何でも用意するよ、ふっかが」
深澤「俺かい!」
そんなこんなで仲直り。でも照くんのガードが厳しくて、この日は一日中照くんの腕の中で過ごすことになった。