ビールとプリン


あれから数ヶ月。普通に装って生活をしていた。でもちょっとモヤモヤした気持ちはまだ拭えてなかった。
ふかさんて人とどうなったん。俺も試験とかレポートでバタバタしとったし、衣都ちゃんの会社も繁忙期みたいですれ違う日々も多かった。ぐたりと倒れ込んで泥のように眠る。朝起きたらもう衣都ちゃんはおらんくって、帰ってきたらもうすやすや寝とんの。忙しいな、お疲れさん。

「やっとゆっくり出来るよー」
「ここ1ヶ月くらい忙しかったもんなぁ」

お疲れ、とグラスを傾けてふたりで乾杯する。お疲れ様会と称してふたりでご飯を作って酒も用意した。美味しいご飯と酒に舌鼓をうてば、つい思考も緩んで他愛もない話の中でぽろっと想いが洩れてしまう。

「あんなぁ」
「ん?」
「前に、ふかさんって人、家来たやんか」
「え? ふか……、あ、ふっかさん。あ、あの時、ごめんね! 私、日本酒飲んじゃって、すごい酔っちゃってて」
「あ、それはええねんけど、その」
「ん?」
「……ああいう人、タイプやったりする?」

彼女はくすくす笑って「ふっかさんかぁ〜」と呟いた。

「まぁ、あの人女の子に優しいし、良い人だしね」

あぁやっぱり、そんな感じなんや。望みなし。そんな言葉が頭に響く。淡い期待も打ち砕かれて肩を落とす。

「大丈夫?」
「あ、ちょっと飲みすぎたんかも」
「お水とってくるね」

そう言って彼女はすぐにコップ一杯の水をくれた。ぐいと一気にそれを飲み干してお疲れ様会はお開き。片付けをして、それぞれに風呂に入って布団に入った。

『なぁ今度呑み付き合って😭』
『ひーくん同席だけどいい?』
『全然構わん!』
『じゃあ来週末とか?』
『おおきに〜😭🙏』

安心して眠りにつけた。週末は俺の傷心会や。





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