Fatal bond

渡辺「おざーす。……は?」

楽屋入りしてすぐのことだった。目の前に飛び込んできた景色に思わず声が漏れた。

佐久間「翔太おはー」
阿部「おはよ」
渡辺「おう。……じゃなくて、は? あいつ何してんの?」

俺が指す"あいつ"ってのは奏多のこと。なんでか知んねえけど、照の膝に陣取って向かい合うように抱きついたまま動かないでいた。

佐久間「んふふ、かぁいいよね」
渡辺「は?」
宮舘「照がいなくなる夢見たんだって」
渡辺「は?」

意味わっかんねえ。何言ってんだ。阿部がどうしてこうなったか教えてくれたけど全然理解出来なかった。
なんか、奏多が今朝見た夢の中で、照がいなくなって、んで、朝から超電話かけたけど照が出なくて、楽屋入りしたら居たからってずっとくっついてるらしい。まじで意味わかんねえ。

阿部「珍しく奏多が甘えてきてるから照も喜んじゃって、あの状態」
渡辺「で、ずっとこんなんしてんの?」

照はずっとスマホを見ていて、時々奏多がぎゅうと甘えるように首に抱きつくと思い出したかのように奏多の頭をぽんぽんと撫でていた。

渡辺「撮影どーすんの」
佐久間「それまでには照がどうにかするんじゃない?」
渡辺「そういえばふっかは? あいつ一番騒ぎそうなのに」
宮舘「そろそろ来るんじゃないかな」

そう噂をしてると丁度いいタイミングでふっかが楽屋入りした。そして、次の瞬間には固まっていた。
まあ、あいつ奏多のこと結構マジで好きだもんな。

深澤「え、はぁ? えぇ!? 待って? 何してんの?!」
岩本「奏多、ふっか来た」
「ん、んー……おはよ」
深澤「おはよ…ってねえ! もっと構ってよ!?」

そんだけ言ってまた照に甘えるもんだからふっかも暴走すんの。照と奏多の周りちょろちょろ回って。照は笑ってっけど、奏多の顔がひでぇ。

阿部「ふっか、こっちおいで」
佐久間「そーそー。そこは二人の時間なんだから」
深澤「何なの!? ずっとこうなの?!」
宮舘「翔太と同じ反応」

は? 俺そんなんじゃねえし。つーかいつまでくっついてんだよ。大体、ただの夢だろ。どんなになったって俺たちがこいつから離れることなんてないんじゃねえの。もうここまで来たら腐れ縁だろ。照だってそう思ってんじゃねえの? 勝手に寂しがってんじゃねえよ。

佐久間「翔太ってば男前〜」
渡辺「は?」
阿部「全部口に出てたよ」
渡辺「は?!」

まじないわ。がしがしと頭を掻けば、照にくっついてた奏多がくすくすと笑っていた。

岩本「奏多が甘えてくれんのは嬉しいけど、正直俺も翔太と同意見。いなくなったりしないから」
「ん……」
佐久間「俺も。奏多のこと1人にするわけないじゃん、ねー?」
宮舘「もちろん」

全員が順番に奏多の頭を撫でてく中、俺だけが棒立ちで。いやまじ、こんな恥ずかしいことしたくねえけど……。

渡辺「今日だけだかんな!」

ぽんぽんぽんと奏多の頭を撫でてやる。なんなら髪の毛ぐしゃぐしゃにしてやった。くだんねーことでしょぼくれてるこいつには丁度いいだろ。


スタッフ「Snow Manの皆さん、お願いしまーす」

スタッフさんが呼びに来る頃にはもういつもの奏多に戻ってた。ただ俺の顔を見る度ににやにやする奏多がすげーうざくて何回かデコピンしてやった。


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