向井くんと地方ロケ

久しぶりの地方ロケ。桐山くんと淳太くんと3人で、めっちゃ楽しいんやけど、ホテルに戻ってきたら急に寂しさが押し寄せてきた。それを察してか2人がご飯に誘ってくれたんやけど、俺は胸の奥である人からの連絡を待ち続けていた。

桐山「Snow Manってシェアハウスしてるんやっけ?」
中間「え、それって奏依も?」
向井「はい! 10人で住んでます」
桐山「それってどんな感じなん?」
向井「むっちゃ楽しいです!」

まあ、気になるとこではあるよな。俺も自分やなくて他のグループがそんなんやってたら気になるもん。楽しくご飯食べながらいろいろ話してたら「今度俺らも遊びに行っていい!?」なんて桐山くんが言ってくれて。嬉しなって「皆に聞いてみます!」なんて返事して。

桐山「んじゃまた明日な」
中間「メンバーおらんからって部屋で泣くなよ〜」
向井「泣きませんよ!」

そう言ってホテルで別れたのに、ものの数分で泣きそうになってる俺。こんな寂しがり屋やったっけ。……奏依ちゃんに会いたい。ぎゅうってして、おやすみのちゅーして、間にシナモン挟んで2人で寝たい。

向井「奏依ちゃん……」

はぁ、とひとつため息をついてベッドに沈む。もう寝よかな……。いやその前に風呂……。ううんと寝返りをうっているとスマホに1件の通知が届いた。それを見て思わず飛び起きた。

向井「奏依ちゃんや……!」

想い人からの連絡にぱたぱたと足が動いてまう。犬やったらめっちゃしっぽ振ってる! 嬉しすぎてやばいもん!

『康二お疲れ様。こっちも今仕事終わったよ。桐山くんと中間くんにもよろしくね!』

お疲れ様ってその言葉だけで胸がきゅんてする。場所は離れてても繋がってるんやなって実感できるからSNS様様やわ。でもやっぱり会いたくなって困る。ぽっかり空いた穴は簡単には埋められそうにない。

『奏依ちゃん、電話とかできたりする?』
『今?』
『今』

そう返して数秒。奏依ちゃんから電話がかかってきた。もちろんテレビ電話。俺はいつもそうって決めとるの、ちゃんと分かってて掛けてくれてる。

向井「もしもし」
「康二、大丈夫?」
向井「あ……奏依ちゃんっ」
「ホテル?」
向井「そう、ホテル」
「良かった。外で泣いてたらどうしようかと思った」
向井「な、泣いてへんよ!」

涙声になりかけてたけど、思いきり顔を振って否定した。泣いてへん。泣いてへんよ。

「……あのさ、康二」
向井「ん?」
「いつ帰ってくる?」

え、えっ、え!? 奏依ちゃんからそんなん聞かれると思ってなかったから、すごい動揺してる。照れくさくて、嬉しくて、顔、熱くなってきた。

向井「あ、明日の夜」
「ん、分かった」

くすくすと笑う彼女。今すぐ会って抱きしめたい。

向井「好きやなぁ」

胸に沸いた想いは言葉になって漏れ出す。「何が?」なんて奏依ちゃんが聞いてきて初めて、口から漏れてたことに気付いた。恥ずいわ。

向井「……あ! そうや、奏依ちゃん、お土産何がええ?」
「康二が元気で帰ってくること」
向井「え?」
「ダメ?」
向井「ダメやないけど、他にないの?」
「うーん……」
向井「甘いのとか好きやろ?」
「うん、好き。でもほんとなんでもいいよ」

ほんま優しいなあ、奏依ちゃん。ぎゅってしたい。

「康二はなんかないの? 帰ってきたらしたいこと」
向井「……奏依ちゃんに、ぎゅうってしたい」
「うん。しようね」
向井「……ちゅーも、したい」
「ふふ、分かった」
向井「あとなぁ……、一緒に寝たい、です」
「ん。明日は康二の日ね」
向井「ほんまに?」
「うん。だから気をつけて明日も頑張ってね」
向井「頑張る! むっちゃ頑張る!」

俄然やる気が湧いてきた。奏依ちゃんのおかげや。ずるいな、ほんま。寂しさなんてとうに消えていた。

「私、お風呂入ってもう寝るけど康二どうする?」
向井「ほな俺も風呂入って寝る!」
「ひとりで寝れそう?」
向井「がんばる!」

そう言って電話を切った。静寂に包まれると寂しさが戻ってきそうやったから、好きな音楽を聞きながら眠りにつく。
明日、帰ったら一番に「ただいま」って言って、抱きしめたんねん。んで、奏依ちゃんのこと独り占めしたる。そんくらいしてもいいやろ? 2日分、しっかりチャージしとかな、奏依ちゃん不足で倒れそうなんやもん。