ラウールと彼女の部屋

ラウール「奏依ちゃん!」
「何?」
ラウール「ぎゅってしたい」
「もうしてるじゃん」
ラウール「もっと。していい?」
「これ以上出来なくない?」
ラウール「ふふ。こうしたら出来るよ」

そう言って彼女からシナモンを奪う。僕らの頭上にシナモンを置いて奏依ちゃんを思いきりぎゅーって抱きしめる。あ、いい匂い。

ラウール「奏依ちゃんの部屋ってさ、ぬいぐるみ多いよね。こことか」

もふもふと枕元のぬいぐるみたちに触れてみる。シナモン、シナモン、ポムポムプリンにシナモン。すみっコぐらし、マイメロ……いっぱいありすぎでしょ!

「それはふっかが取ってきたやつ。なんか知らないうちに増えてたりするんだよね」
ラウール「それやばくない? ふっかさん勝手に部屋入ってんじゃないの?」
「たぶんね。まあ別に、入って取られるようなものないし。むしろ増えてるし」

くすくす笑う彼女につられて僕も笑う。この間までなかったハニレモの界と羽花のぬいぐるみもあって内心凄く嬉しい。

ラウール「Snow ManとSixTONESのアクスタ飾ってあるのもいいね」
「ありがとう。あれね、宝物」
ラウール「そうなの?」
「うん。あ、でもこの子も宝物」

そう言って僕のことを抱きしめてくれた。「キャーッ」って子供みたいに喜んで抱きしめ返して、ちょっとだけ見つめ合って、キスをした。ふふ、幸せ。

「あ、ラウ耳噛まないで」
ラウール「んふふ」
「ちょ、だめだって」
ラウール「えー」

僕の腕の中にすっぽり収まっちゃうサイズの奏依ちゃんにもう一度キスをして、他愛もない話をしながら僕たちは微睡みへ落ちていく。


翌朝、奏依ちゃんと岩本くん、佐久間くんが仕事に行くのを見送った。リビングにいためめが僕の名前を呼ぶから「何?」と返事をして近づく。

目黒「お前また奏依ちゃんの部屋で寝てただろ」
ラウール「うん!」
深澤「ラウ寝るとこあったの? ぬいぐるみばっかでしょ」
阿部「ふっかがあげたやつね」
深澤「そう。あのベッドは俺が作り上げたと言っても過言じゃない」
ラウール「ちゃんと寝れたよ」
深澤「でも俺あの部屋で寝る勇気ないな。自分の部屋連れ込んじゃう」
ラウール「キャー!」
向井「ふっかさんのすけべ!」
深澤「え? でも実際そうでしょ? 皆ほとんど奏依の部屋で寝ないじゃん」

たしかに。僕は奏依ちゃんの部屋で寝るけど、あとはたぶん佐久間くんくらい。めめと舘さんはそもそも女の子の部屋に入るべきじゃないって言ってて、康二くんとかふっかさんは自分の部屋の方が落ち着くって言ってた。

ラウール「阿部ちゃんは?」
阿部「俺はー……、寝る前まで勉強してるから、その関係で奏依が俺の部屋にいることが多いかな」
深澤「奏依いんのに勉強してんの」
阿部「うん」
向井「その間奏依ちゃんなにしてんの?」
阿部「なんだろ。本読んだりゲームしたり。けっこう自由にしてるよ」

きっと奏依ちゃんはなんにも気にしてないんだろうなぁ。帰ってきたらちょっと聞いてみようっと。まだ送り出したばっかりなのにもう会いたくなってきた。……まあ、午後から仕事で会えるんだけどね。それを楽しみにして出かける準備でもしよっかな。