Shota√
「ねぇ、それってどっちの意味?」
唇が離れて数秒、ぽつりと零された言葉に思わず口を噤んだ。
渡辺「分かったんじゃねえの」
「……確認、しときたいなぁって」
照れ笑いを浮かべる奏依をさっきよりも強い力で抱きしめる。それが答えだと言わんばかりにそうしてるのに、奏依は笑ったまま。
「翔太くん、好きだよ」
渡辺「は?」
「私は好き。だから次は翔太くんが私のことどう思ってるか知りたい」
その顔はもう答えを分かりきってるようにも見えて、ただ俺が告白するよりされたい側なのとか察してそう言ってんのかなって思ったりもして。
渡辺「……お前と一緒」
「ん、ふふ」
渡辺「何笑ってんの」
「ううん、翔太くんらしいなぁって思って」
俺らしいってなんだよ。はにかむ奏依の頬をふにゅと掴んで弄んで、ばーかって言う代わりに唇に噛みついてやった。その、ばーかの中にはちょっとだけ、素直に言うことの出来ない好きだよが混ざってるってのも、もしかしたら奏依なら分かってくれるんじゃないかって期待を込めて。
「翔太くん」
渡辺「何?」
「好き」
渡辺「ふはっ」
「翔太くんが言わない代わりに私がたくさん言ってみようかなって」
渡辺「なんだよそれ。俺だってそんくらい言えるわ」
「ふふ」
信じてない顔してんのバレバレ。今度は壊れ物に触れるみたいに優しく、濡れた唇を撫でてキスを落とす。離れ際に「好き」って小さく言葉をもらして、奏依の返事も待たずにまたキスをして言葉を塞いだ。ぬるりと滑り込ませた舌の感触に、奏依の身体が小さく震える。でも、向こうもすぐに同じように舌を絡ませてきて、ああこのままヤるのかななんて漠然と思った。
渡辺「……やる?」
「聞き方……!」
渡辺「お前が嫌なら、ここでやめて寝る」
「……やじゃないって、言ったら?」
渡辺「抱き潰すけど」
「……明日も、仕事なので、その」
ごにょごにょと言葉尻が小さくなっていく奏依。もう彼女の言いたいことなんて口にしなくても分かってしまって、ただ可愛くて意地悪でその続きを待った。口角が上がって、すげーニヤニヤしてんの、バレてんだろうなって思いながらも。
「翔太くん悪いこと考えてるでしょ」
渡辺「……別に」
「バレバレだよ」
渡辺「うるせ」
そう言って奏依を押し倒す。狭いベッドに2人。隣同士で寝るんじゃなくて、互いの影が重なるくらいの距離で、言葉にならない想いを伝えて。ずっと我慢してたせいかタカが外れて、奏依との約束も守れないかも、なんて思って。そしたら明日朝一で謝るから。今は俺の一番近い場所で俺だけに全部見せて。恥ずかしがる奏依に慣れないくらい甘い言葉を投げかけた。