明日も俺のとこに来て


眠りから覚めて一番に目に映るのが彼女の寝顔って結構幸せなものだったりする。頬に触れる髪を掻き分け、眠る彼女の頬にキスを落とす。
こんなことしても気にせず眠り続けられるくらい深い眠りに落ちている奏依。いくらでも見てられる。

「んん……」

寝返りを打ったかと思えば、俺の胸へと誘われるように転がり込む彼女。わざとだとしたら、これ以上に効果的なことはないってくらい俺にヒットしてるから、奏依の作戦は成功したと言えるだろう。……まあ、無自覚なの分かってるんだけどね。寝相、あんまり良くないもんね。いつだったか翔太の部屋で寝てて転がり落ちたの、未だに翔太に馬鹿にされてるもんね。

「ん……ぁ、おはよ」
宮舘「おはよう、俺のお姫様」

目覚めのキスを送れば、ふにゃりと彼女の顔が緩む。俺の好きな顔。奏依ならどんな表情でも好きだけど、この安心しきった顔が一番好き。この顔見れる人ってきっと限られてるから。

「……いま、何時?」
宮舘「8時すぎ。起きる?」
「……ん、起きる」

起きる、と言ったのにうちのお姫様は布団に潜っていってしまった。「あと5分したら……」なんて呟いて、半身を起こしてベッドに腰掛ける俺の膝を枕にして、またすやすやと眠りについてしまった。

宮舘「奏依、奏依ー……」

呼びかけても、キスをしても返事はない。ぎゅっと俺の腰周りに抱きついてきて……、離れようとしない。

宮舘「奏依? 俺の事、抱き枕か何かだと思ってる?」

前に奏依が「舘様は抱き心地がいいから好き」なんて言ってたことを思い出す。……無防備な寝顔をスマホに収めながら、ふと息を吐く。こんな無防備な姿をほかのメンバーにも見せてるのかなと思ったらそれはなんとなく嫌で。俺だけならどれだけでも甘えてくれていいけれど、と考えてしまった。

宮舘「奏依、5分経ったよ」
「んん……」

ちょっとした意地悪心が働いて、まだ頭が働かない彼女に深くキスをしてみる。

「ん、りょーたくん……っ」

いつも舘様って呼ぶのに、不意に涼太って呼ぶのずるい。ぎゅっと俺の服の裾に縋ってくるのを感じて思わず口角が上がる。可愛いとか愛おしいとかそれ以上の感情とか色々と混ざり合って、俺の欲を加速させる。

宮舘「目、覚めた?」
「……はい、それはもう」
宮舘「良かった。おはよう」

今度は触れるだけの軽いキス。ぽんぽんと彼女の頭を撫でて「奏依」と彼女の名前を呼ぶ。

「何?」
宮舘「今日、帰り遅いんだっけ」
「うん、遅め」
宮舘「じゃあ明日」
「明日?」
宮舘「明日も俺のとこに来て」

ゆっくりと体を起こした奏依は、俺の方を見てふにゃりと笑う。

「いいよ、約束ね」

ぎゅっとハグして、約束のキス。俺のささやかな独占欲ごと受け入れてくれる彼女に感謝して、また唇を寄せた。愛してる。明日の晩、伝える言葉を頭の中で繰り返して。