いつだって本気だよ
お風呂上がりの奏依を部屋に連れ込んで、不意打ちでキスをしたのは、最近俺に構ってくれないからという小さな嫉妬のせい。ラウールとか、康二とか、可愛がりたい気持ちはまあ分かんなくはないけど、俺だって奏依のこと好きなのにずるくない?
「さっくん……?」
佐久間「奏依との時間、今日は俺に独り占めさせて」
超かっこいいこと言ってるのに、奏依に縋るように抱きついてるからいまいち格好がつかない。奏依はよく分からないままに、首を縦に振って頷いてくれた。
「……暑くない?」
佐久間「んー? でも俺は幸せ」
後ろから奏依を抱きしめてベッドに腰掛ける。2人でゲームしてダラダラするのが最高に好き。ふんわり香るシャンプーの匂いもいいなぁって思うし、奏依が動く度にうなじがちらっと髪の間から見えるのもたまらない。まさにベスポジ。思わずキスしたくなるくらい、って思ってたら体が先に動いてた。
「っねえ、びっくりする」
佐久間「んははっ、だぁってぇ、奏依のうなじ超綺麗なんだもん。もっかいちゅーしていい?」
「だめ」
佐久間「可愛い! でもだーめ。んふふ」
チュッって、綺麗なリップ音出た。奏依の肌がぽっと赤く染まるのを見て少しだけ興奮した。照れてるのかな、意識してくれてんのかな、俺、本当は噛み付いて痕残したいって思ってるなんて、きっとバレてないよね。
もう一度、ちゅうと子供みたいに軽く吸い付いたら「もうだめ」って手で隠されてしまった。
佐久間「じゃあこっちにする」
「え?」
奏依が何か言う前に彼女の唇を塞ぐ。もちろん、俺の唇で。浅く洩れる呼吸のタイミングを見ながら、吐息ごと飲み込んで、また深くキスをした。
好き。好きで仕方がない。ベッドに押し倒してひとつになりたいって、そんな想いを理性で押さえ込んで、彼女を抱きしめた。
佐久間「愛してるよ」
さらりと吐いた言葉に首を傾げる奏依。潤んだ瞳が扇情的でうるさいくらいに心臓が高鳴る。
「ふふ、はいはい」
アイドルやってるときにたくさん言いすぎたせいか、俺の渾身の「愛してる」はどうも彼女には響かないらしい。こんだけ想ってても伝わらないなら、どうしたら伝わるのか。
俺が辿り着いた結論はひとつ。
「さっくん……?」
佐久間「いつだって本気だよ、俺は」
彼女を押し倒して、くたりと笑みを浮かべる。めいいっぱいの愛してるを唇に乗せて彼女へと押し付ける。俺の愛で溺れてほしい。何度も呟いた「好きだよ」という言葉よりも、たった1回の「本気」の方が伝わったらしい。耳まで真っ赤に染めてそっぽを向く彼女を捕まえてまたキスをした。