ある日の目黒くん
目黒「おはよ、奏依ちゃん」
「んー」
洗面所に立つ奏依ちゃんに挨拶したら、もごもごと返事をされた。ごめん、歯磨き中だったんだね。
「ごめん。おはよ」
目黒「ん、こっちこそごめん。……ねえ、奏依ちゃん。俺今から仕事なの」
「へえ。今日は何?」
目黒「雑誌のモデル」
「おー。頑張って」
目黒「ねえ、キスして」
「……なんで?」
目黒「奏依ちゃんがキスしてくれたら今日頑張れる」
「なにそれ」
くすくすと笑う奏依ちゃん。彼女の身長に合わせて腰を曲げれば「しょうがないなぁ」と呟いて頬にキスしてくれた。
目黒「そっちじゃないでしょ」
「充分でしょ」
目黒「だめ。足りない」
今度は俺からキスした。ちょっとだけ歯磨き粉の味がした。今回が初めてじゃないのに真っ赤になる奏依ちゃんが可愛くてもう一回キスした。
「……ねぇ、もう、だめ」
目黒「ん、分かった。じゃあ、俺仕事行ってくるね」
「……うん、いってらっしゃい」
はにかむ奏依ちゃんが可愛くて、はやく仕事終わらせて帰ってこようって心に決めた。いつも以上に調子が良くてカメラマンさんから褒められることになるのは今の俺はまだ知らない話。全部全部俺の好きな奏依ちゃんのおかげ。