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仁兎先輩と鬼龍先輩とレッスンをしている時の話し。因みに月永先輩は行方不明、天祥院先輩は体調不良でお休み。こんなんでジャッジメントは大丈夫なのか不安である。
「あ、仁兎先輩!今の右足より左足を軸にして回った方が見栄えが良いです」
「おう!わかった!」
ダンスのステップを教える事は出来ないけど、こうして客席に座って映えるパフォーマンスを教える事は出来る。出来る事からやればいい。そう言ってくれた先輩は、今どこで何をしているのだろうか。
「考え事か?」
「あ、…考え事っていうか、なんていうか…」
どうやらぼんやりしてしまったみたいで、鬼龍先輩に声をかけられた。考え事っていうより、弱音の方が正しい表現だけど、それを今言った所で何も変わらないから笑顔で誤魔化す。
「遠慮せず頼れるにーちゃんと紅郎ちんに話していいんらよ」
「なんと言いますか…その…」
話してもいいって言われても、少し恥ずかしい弱音だからあんまり話したくなかったりする。どんだけ月永先輩が好きなんだって馬鹿にされる。だけど仁兎先輩の頼っていいんだぞ!とキラキラした瞳で見られると、断るに断れなくて私は口を開いた。
「望月、他人に褒められた事が無かったから、月永先輩に褒めてもらえて嬉しかったんです。…なのに月永先輩最近レッスンに顔出さないから…、望月頑張ってるのに…」
褒めてもらいたい、けど自分から褒めて!なんて言えない。そんな事したらちょーウザいって思われちゃうから。
「あれだな。なんか子犬とか子猫みたいだな」
「あ、なんかわかるかも。飼い主に褒めてもらいたくて尻尾振って待ってるんだよな」
「それって望月の飼い主月永先輩みたいじゃないですか!?望月はあんず先輩がいいです」
あんず先輩が飼い主ならきっと甘やかしてくれるはず!一緒にご飯食べて、一緒にお勉強して、一緒にテレビ見たりして、そしていっぱいぎゅーってするんだ。
「ふふふ、最高だ…」
「おーい、もどってこーい」
「はっ!望月としたことが、妄想に浸ってしまいました」
やだ、月永先輩みたいじゃん。
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