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「ちゃんと言わなきゃいけない人にとっておきなよ」
と言われても困るのだ。ひなた君が言ってるのは、きっと恋愛感情的な好きに聞こえるから言わない方がいいよって事なんだろうけど、私にそんな人は出来るのだろうか。出来なかったら私は一生好きと言えないじゃないか。
「あれ、リンちゃんだ。どうしたの、浮かない顔して。話なら俺、聞いてあげるよ?」
「羽風先輩…。望月浮かない顔してましたか?」
校内をフラフラしていたら羽風先輩と出会った。あんず先輩は羽風先輩の事、少し苦手みたいで冷たくしてるけど、私はなんだかお兄ちゃんに性格が似てるからかそんなに苦手じゃない。よく飴とかくれるし。
「悩み事がある顔はしてるよ」
「…うーん、そうですか……」
好きな人が出来なかったらどうしよう、なんて事を悩んでるって相談してもいいのかな。でも、相談するなら羽風先輩が丁度いいのかもしれないな。恋愛の事ならなんでも知ってそうだし。
「羽風先輩は、好きな人っているんですか?」
「え?な、何急に、そういう話なの?」
「望月に、好きな人が出来なかったらどうしたらいいですか?」
なとなく俺が思ってる相談とは違うってわかったよ、と苦笑いを浮かべてどっか落ち着いて話せる場所に行こうか、と近場の空き教室へ向かった。
「可愛い妹の悩み事だもんね。ちゃんと話聞いてあげるよ」
「ありがとうございます!羽風先輩!!」
「うん、だから今度あんずちゃんデートに誘うの手伝ってね?」
「それはいくら羽風先輩でも許しません」
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