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羽風先輩とあの後も色々お話して、校門まで一緒に来てくれたけど、羽風先輩の目的地とは真逆の方角に私の家があるため校門でさよならしてその後は一人で帰った。私の家は、夢ノ咲学院から案外近い所にあるから、登下校は全然苦じゃない。むしろ家が近いって理由で夢ノ咲学院を選んだ所があるくらいだ。
「あ、リン!今帰り?」
「とも君、うん。とも君も今帰り?」
「うん、よかったら一緒に帰らない?」
「えへへ、ぜひ!!」
確か友也君は演劇部だったはず、その友也君が帰ってるって事は、羽風先輩と長く話すぎたかもしれない。そういえば、こうして友也君と一緒に帰るのってなんだか久しぶりな気がする。
「小学生の頃、こうして二人で帰ったよね」
「転入したての頃も一緒に帰ってくれたじゃない。学院もいろいろ案内してくれたし」
「そりゃ、幼馴染みとして当然の義務だからね。それにトクサ兄さんからも気にかけてくれって言われてるしね」
中学校は私進学校に通ってたから、友也君とは違う学校だった。結局授業についていけなくて落ちこぼれになってしまったわけだけど。でも、こうして今が楽しいからよかった事にしよう。
「最近ユニット活動はどう?望月にお手伝い出来る事とかあるかな?」
「光が騒がしいのは相変わらずだけど、にーちゃんもいるし今のところは大丈夫かな」
「…よかった。あんず先輩とtrickstarのおかげですね」
あのライブの日、まだプロデュース科に転入すらしていなかった私は、ただあの場に残ってライブを見ることしか出来なかったけど、あの会場に女子生徒と男子生徒の人影が見えた。あれは確かにあんず先輩とtrickstarの一人だったと思う。詳しい事は聞いていないけど、この学院はあんず先輩とtrickstarのおかげで変わったと皆が言うからきっとそうなのだろう。私は優しい時代しか、あんず先輩が変えた学院しか、知らない。
「創も、今fineの姫宮君と一緒にレッスンしてるみたいだし、楽しそうだよ」
どれもこれもあんず先輩のおかげだね。あの人は私のヒーローであって、皆のプロデューサーであって、そして皆のヒーローでもあるんだ。プロデュースは素人同然で転入して来たって言ってたけど、要領の良さとか人望とかあんず先輩はプロデューサーになるべくしてこの学院に転入してきたんだ。すごい。
「望月も、毎日楽しいですよ」
「ならよかったけど、あんまりあんず先輩に迷惑かけるなよ」
「迷惑かけてる前提なんですね」
そんな話をしてるうちに、家が見えて来た。
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