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結局衣更先輩は生徒会で忙しいらしくヘンゼルとグレーテルごっこに付き合ってくれなかった。衣更先輩のクラスの人かもしれないんだから、衣更先輩も一緒に来て欲しかったけど、ただでさえ胃薬必要そうな生活してるのに巻き込んじゃうのも気が引けたから一人で行くことにした。望月リンは気配り出来るいい子なので。
「あ、あれって……」
階段を降りてしばらく歩いた先に、見覚えのある後ろ姿を見つけた。この飴落としたのってもしかして彼だったりするのだろうか。確かに飴を持ってた気もしなくもない…。自信ないけど。
「あ、魔法少女」
「気づかれた!」
「手に持ってる飴ちゃん、もしかして拾ってくれたん?」
「みかちゃん先輩が魔女だったんですね?」
「…なんやまたわけのわからない事を」
拾った飴を影片先輩に渡すと、お礼にと青い包みと黄色の包みの飴をもらった。赤い包みは影片先輩が好きらしいから、それはもらわないでおいた。それに青い包みと黄色の包みは影片先輩の目と同じ色。
「んん〜、この飴美味しいですね!みかちゃん先輩!なんの味かわからないですけど!」
「そんな喜んでもらえると嬉しいなぁ。お師さんもあんずちゃんもあんましリアクション大きくないからな」
そもそもお師さんは受け取ってくれんしなぁ、と私が相槌を打つヒマもなく喋り続ける影片先輩。私はそのお師さんという人に会ったことがまだないからどんな人物なのかわからないけど、影片先輩はいつも『お師さん』の話をする。だけど、最近はあんず先輩の話もするようになった。
「もしかして、みかちゃん先輩もあんず先輩のこと好きになっちゃった系ですか?望月のライバルなんですか?」
「今の会話でなんでその結論に至ったのかホンマわからんのやけれど」
「あんず先輩は望月の先輩ですからね!」
「せやから、会話して?」
さすがアイドル科の紅一点のあんず先輩、ライバルは多い。
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