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03
月永レオ。
私が彼に抱いた第一印象は“変な人”である。
「(あれから結構経つけど、ちゃんと待ってるのね、リンちゃん……)」
「(リンちゃん律義だなぁ…)」
最初は立っていたのだけれど一向に終わらない作曲活動に、立つのが辛くなって彼の作曲活動の邪魔にならないよう少し離れた所で座り終わるのを待っている。少しって言ったのに全然少しじゃないし、プロデュースも全然お手伝い出来なかったし、私何してるんだろう。
「あれ、紙無くなったな」
「(これはチャンス!!)あ、あの!望月リンです!よろしくお願いします!!」
「ん?お前誰だっけ?いや、言わないで!妄想するから!それで霊感が刺激されるから!わはははは」
「(変な人だ…)」
それから結局自己紹介らしい自己紹介が出来なかった上に、きっとあの人私の名前を覚えていない。というか、眼中に無いっていう感じだ。もうわけわからなくなったのであんず先輩の元へ行くと、丁度レッスンも終わったのか皆さんがストレッチしていた。
「望月は、今日お役に立てませんでした」
「仕方ないよ、ちゃんと言われた通りに待ってたんだもん。今日はお菓子食べてもう帰ろうか」
「…望月はお菓子いらないです。何もしてないのに貰えないです。今日はこれで失礼します!さようなら!!」
本当はあんず先輩の手作りお菓子食べたかったけど、何もしてないクセにご好意に甘えるだけなのがイヤだったから挨拶だけ済ませてダッシュでレッスン室を出た。ごめん、司君。私もあのリーダーはどうにも出来ないです。お悩み解決は出来そうも無いです。
「あ!リン!!助けて!!」
「ふぇ?も、ももちゃん?」
今日は早く帰ろうと思って階段を降りようとした所で桃ちゃんが私を見つけて何処かへ引っ張って行くので予定は変更になった、みたいです。
「リンは魔法少女なんでしょ!ならあれも倒せるよね!?ボクが頼ってあげるんだから感謝してよね!」
「あ、あれって何…?望月、イヤな予感しかしないんだけど……」
連れて行かれた先は教室で、待ち構えていたのは地面を這うようにカサカサ動く虫で、桃ちゃんはそれを倒して欲しいらしくグイグイ私を虫に押し付ける。
「ちょっ、ちょっと待って桃ちゃん!!」
「魔法でも何でも使っていいから倒してよ!」
「ヤダヤダ!望月虫はダメなの!!」
「奴隷なんだからそれくらい倒してよ!!」
入り口で叫び合っていると、相手も生きているから当然なんだけど動き出した。それが私と桃ちゃんがいる方に向かって飛んでくるから二人でプチパニックになって二人で一緒の方に逃げてしまい、さらに虫がその後を追いかけて来るものだから二人でキャーキャー言いながらも騒ぎを聞きつけて守沢先輩が現れるまで逃げ続けることになった。
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