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最近、Knightsが頻繁にライブを行なってるらしい。あの日以来、月永先輩を学院内で見かけた事は一度も無い。あんず先輩に頼まれていたレッスンについての仕事をしたり、体育祭の報告書を手間取ったり、溜まった衣装の手直しをしていたからあんず先輩についてライブの付き添いに行くのは久しぶりだ。


「客席からどう見えてたかを知りたいから、リンちゃんは客席で見ててもらってもいいかな?」
「はい!わかりました!望月リン頑張ります!」


たまに頼まれるこの仕事は、とても好きだ。今まで頑張ってレッスンしていた皆さんが、ライトを浴びてキラキラしてて魔法がかかったようで憧れる。そんなアイドルを見てお客さんも吊られて魔法がかかったように笑顔になる。それを見るのがとても好きだ。

私には使えないタイプの魔法がそこにはある。


「あれ、でも今日の司君いつもよりキラキラしてない…?」


何か他の事が気になってるのかな?それとも疲れちゃったのかな?素敵な魔法が使えるのに、今日は見れないのは残念だな。Knightsは纏まりがあるようで無いようなメンバーだから、ライブでしか息の合った本気のパフォーマンスを見れないのに。

そのまま何のアクシデントもなく無事にライブは終わってお客さんも皆笑顔で帰って行く。それを見て私も嬉しくなる。魔法にかけられるのも悪くない。今日のライブの改善点と良かった点をメモ帳に纏めて、報告するべく皆が集まってるだろうスタジオに走った。


「望月ただいま戻りました!……あれ?」


スタジオの扉を開けると、皆が揃って私を見つめていた。これは空気を読めよ、って空気だろう。月永先輩が居るあたり、多分きっと重要な話をしていたんだろう。そこに空気を読まずに登場してしまった私は、もう帰りたい衝動に駆られた。


「丁度いい。あんずはKnightsについていい。あの見習いをおれのプロデューサーにしよう。それくらいのハンデは必要だろ?」


それは、私があんず先輩より役に立たないと包み隠さずそう言われているのだ。それは事実だから何も言い返せないけど、それが悔しかった。何の話をしてるのか一切わからなかったけど、話は私を置いてどんどんと進んで行った。


「ちょっ、ちょっと待ってください!!望月何がなんだかよくわからないのですが!!」
「わかる努力をしろよ。だからお前は悪役になったわけだよ。後で作戦会議でもするか?この際悪役を思う存分楽しもうじゃないか!」
「この先輩やっぱり変だ!」



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