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ハロウィン当日は、Knightsのサポートの他にも衣装の受け渡しとかお菓子の販売とか頼まれている仕事が多くて大変そうだけど、瀬名先輩に言った通り、それまではいつもと変わらない。レッスンを引き受けたり、校内バイトでお掃除の手伝いをしたり。平和なものだ。あんず先輩はハロウィンの仮装を業者さんに発注かけたり、お菓子も試行錯誤をしているみたいだけど、私に回って来るのはいつものユニットレッスンばっかりだ。別に不満はないけど、あんず先輩と一緒にお仕事したかった。
「リン!丁度いいところに!!」
特に今はやる事もなかったから、偶然を装ってあんず先輩に出会う為にフラフラと彷徨い歩いていたら、噴水前にてあんず先輩ではなく月永先輩と遭遇してしまった。月永先輩、今日はちゃんと授業に出席したんだろうか。
「月永先輩だ、えっと、うっちゅーです」
「おお!!ちゃんと挨拶を覚えてたな!うっちゅ〜☆」
とりあえず近くまで行くと、相変わらず作曲をしていたようで、普通のノートに音符が羅列している。楽譜が読めないからどんな曲なのかはわからないけど。
「今日は髪の毛、普通なんだな?」
「え?あ、昨日のは瀬名先輩がやってくれたんですよ!」
「へー、セナは器用なんだな!」
本当にその通りである。私はしかも髪が短いから、ヘアアレンジとか難易度高めで自分ですら出来ないのに、それをあの短時間でやってのける瀬名先輩はとても器用だと思う。…それとも私が不器用なだけだろうか。
「似合ってたから、今日もやってもらえばいいのに」
「うーん、でも瀬名先輩も準備とかで忙しいだろうから、頼みづらいです」
瀬名先輩だけじゃなく、ハロウィンが迫って来ていてみんなが忙しそうな感じだ。やっぱり一般のお客さんが来るとなると緊張もするだろうし、より素晴らしいステージにしたいとレッスンに力が入っている。それなのに、暇を持て余している私と月永先輩はどういう事なんだろうか。
「なら、おれがやってやろう!丁度ヘアゴムあるし!」
「えぇ!月永先輩が!?」
「何、イヤなの?」
「べつにイヤなわけでは無いです」
ただ、純粋にびっくりしただけです。あ、でも妹さんがいるって言ってたから、やり慣れてはいるのかな。それに月永先輩自身が髪の毛結わえてるし、大丈夫そう。
「お願いしても、いいですか?」
「ふふん!任せろ!!」
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