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Knightsの皆さんのハロウィン衣装が完成したので、それぞれ合間を見て渡しに行った。司くん、鳴上先輩と凛月先輩、瀬名先輩と何の問題もなく渡せたのだけど、やはりというか月永先輩が見つからない。あんず先輩はいつもどうやって月永先輩を探し出しているんだろう。でも、また変に探し回って迷子になるのは嫌なので、今回は行った事のある場所だけ探そう。もうすぐ転科して来て半年くらいになるけど、この学院は広すぎる。
「冬になったら、遭難してしまいそう…っ」
前回は凛月先輩がいてくれたから、なんとかアイドル科に戻って来れたけど次回も誰か知り合いに会う確率は低い。もうこうなったら最終手段の『瀬名先輩に頼んで月永先輩のお家に持って行ってもらう』になりそうだ。でも頑張ったから私は悪くないと思う。月永先輩が悪い。
「あれ、魔法少女と噂の子!こんな所で何してるの?」
「と、とりっくすたーのひと…」
trickstarは衣更先輩としか交流がないから、話しかけられるとは思わなかった。ユニットレッスンもあんず先輩が担当だし、同じ学年で同じクラスだからあんず先輩とtrickstarは仲良しだから、ずるいと思う。私がアイドル科に来た時にはもう、trickstarとあんず先輩は固い絆があった。
「な、なんでそんなに威嚇してるの…?」
「おい明星、何をしている」
「お、女の子って事はあんずちゃんの後輩?」
「ふ、ふえた…!?」
3対1とは卑怯だ!なんでよりにもよって衣更先輩はいないんだ!trickstarに囲まれているのも、月永先輩が何処にもいない所為だ。早く最終手段に移ればよかった。……?金髪メガネの人、最終手段の瀬名先輩で思い出したけど、
「もしかして、…ゆうくんさん?」
「そ、その呼び方は、泉さんの…」
「ゆうくんさん見かけたら瀬名先輩に連絡しないと!」
「お願い!!やめて!!!」
ポケットからスマホを取り出したらゆうくんさんがすごい勢いで土下座して来た。下級生に土下座をするとは、プライドというものは無いのでしょうか。なんだか可哀想になったから、とりあえず写メだけ撮っておこう。
「なんで写真撮ったの!?!」
「とても綺麗な土下座だったので…」
「ありがとう!!でも消してほしいな!」
この写メが瀬名先輩に見つかって、後で面倒な事になるのも確かに嫌だから勿体無いけど消しておこう。
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