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昨日は結局月永先輩を見つける事が出来なかったから、今日こそは見つけて衣装を渡すぞと意気込んで登校する。見つけられなかったら瀬名先輩に頼もうと考えながら昇降口で靴を履き替えていたら、急に両腕を掴まれて気づけば廊下を引き摺られていた。


「おはよう!突然だけど急ぐから、このままついて来てね」
「リンだったら自分で走った方が速いかもしれないけどね」
「おはようございます!ゆた君ひな君!望月理解が追いつかなくてすごくビックリしてます!!」


理解が追いつかない事をビックリしたって表現するのだから、同じ事を二回繰り返してる事になるから私は相当パニックになっている。誘拐ってきっとこんな感じになって助けを求められないんだろうな。


「おはようございます!リンちゃん用の衣装出来てますか!?」
「おう、おはようさん。出来てるぞ、ほら」


辿り着いたのは武道場で、どうやら鬼龍先輩が私のハロウィン衣装を手がけてくれたみたいだ。鬼龍先輩の作る衣装は丁寧な作りでアイドルの皆さんからの評価が高いから、私なんかの為に作ってくれたのかと思うと畏れ多いが、でも素直に尊敬する人からの衣装は嬉しい。


「嬢ちゃんには前に世話になったからな」
「そそそそんな、私は別に大した事出来なかったですし」
「こっちは俺とアニキから、頑張ってるリンにご褒美ね」


ゆうた君が頭に乗せてくれたのはプラスチック製ではあるが可愛らしいデザインのティアラ。頑張ってるのほ私だけでなく、ゆうた君もひなた君も鬼龍先輩も同じなのに、私だけこんなに貰ってしまっていいのだろうか。なんだか申し訳なくなってしまう。


「望月一応プロデューサーなのに、いいんでしょうか…」
「せっかくのハロウィンなんだから楽しんじゃおう!」
「アニキはいつも楽しんでるだろ」
「嬢ちゃんは頑張ってるから褒美と思えばいいさ」


当日はあんず先輩も衣装を着る(着させる)予定らしいし、私の為に作ってくれたのがすごく嬉しかったのも本音だ。この衣装を着たら、あんず先輩は可愛いと言ってくれるだろうか。あんず先輩の仮装も楽しみだし、ハロウィン当日が楽しみだ。



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